【14】痛みと温度が同居した日 ~男と女の間に友情は成立するのか~
20代前半で出逢った友人たちは
わたしの仕事柄、やはり似た職の人たちでした。
ミュージシャンや役者、ヘアメイクに写真家、
陶芸家に画家、プロデューサーや監督、デザイナー
アーティスト、クリエイターと言われる人たちだった。
やはり刺激がそこにはありました。
誰もが個性と世界観をもっていたから
話をするだけで学びがありました。
そしてその8割は男の子だった。
若い女の子同士は この世界とても厄介なことが多いから。
わたしは割と男っぽい性質があり
違和感なく すんなりその中に入って行くことができました。
異性というよりも仲間の意識があったのだと思います。
ただ アーティストの気質として
何か 心にはぽっかりと穴が空いてる人が多かった。
多くの人に感動を与える彼らはときに 廃墟のようだった。
めんどくさい そんな時も正直あって
それは わたしも思われていたことだろうと思います。
けれど 深い話をすることができたのは
彼らがアーティストだったから。
人間臭く 泥臭く そして痛みを誰よりも深く受け止めることのできる人種だったから。
そうでなければ、人の心を揺るがすウタは歌えないだろうと思う。
だから その世界の住人はめんどうでも
わたしにとっては そこでの生き様にふれることが
何よりもの学びとなったのです。
そして そんな彼らは 豊かな童心をもっていて
型にはめないし、またはみ出すのが得意だった。
それはまるで 枠にハマらないぬり絵を人生でやっているかのよう。
時に人が入れ代わりながらも
彼らと過ごしていた数年間は毎日がテーマパークでした。
そんなある日、
「男と女の間に友情は成立しない。するとしたら性的関係をもったのちだ」
と言った人がいた。
どうやら わたしはその仲間の全員と寝たことになってた。
この世界、大人の見方は どこまで不純なのだと思った瞬間でした。
ただ 今になってひとつだけ言えるとするなら
本当の意味での友情が育まれるのは その通りなのかもしれません。
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