【13】痛みと温度が同居した日 ~成人式の告白~

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二十歳になった。

二十歳になった翌日 成人式があり、
その日は地元のお友だちと鎌倉の鶴岡八幡宮にお参りをしました。

19歳と二十歳の違い 大きくは無かったのだけれど
友だちと祝福しあえた その祈りがとても心地よかったのと
大人の仲間入り、というキーワードにワクワクしました。
何かがはじまる気がして 胸いっぱい 歓びにあふれたのを覚えています。

そして その後、彼も祝福をしてくれました。

照れくさそうに おめでとう そう言う彼の胸に飛び込むまでに
最後までコトバを確認する必要もなくて
胸いっぱい抱きしめてもらった。


もう未成年じゃないから 結婚は自分の意思でできる。
そう 願いを込めてのこと。

「結婚しよう」

二十歳の私からの告白でした。

彼はやっぱり照れくさそうに 笑って頷くも 
本当は彼の頭には 仕事のことがかすめたのがわかりました。

待つ ことのできない私は
粘り強くいれたわけでもなかったから
諦めるのが早かった。

結局は自分を守ったのです。



冬の空は高かった。
そして 澄んだ空気は胸にすこし 刺さった。



しあわせは長くは続かない。
それがわたしの信じていた事でした。

遠くを見たのは 現実を直視するのが怖かったから。
でも 見据えたわけじゃなくて 焦点なんてまったく合ってはいなかったのに
それは 強さじゃないのに・・・・
それを見て 周りはわたしに「強いね」と言った。
まただ・・・・。
正直 吐き気がした。

弱い自分を必死で隠していることに気づいてくれる人はひとりもいなかった。

強くいなければいけない状況は自分が生み出してしまったのか。

私には受け取れる2つの掌があったのだけれど・・・・
素直に甘えていたら 誰かが手をとってくれたろうか。



霜柱の地面を歩くと サクサクと音がなった。

空っぽのハートにはその音が響き、2つの掌に温度は不在だった。
だから両手をポケットに入れて 俯いて泣いてやろうと思ったけど やめた。

わたしは 彼に別れを告げ、そして 泣くこともなかった。

失ってはじめて気づく 愛ってなんだろう。
彼はわたしとの別れを望まなかった。

こうやってつり合う天秤は わたしにはもう無理だった。

わたしが振り向くことはありませんでした。

そして 出逢ったのは 仲間たちだった。


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