第三十八話 Saya受かったと思うよ!!大阪府和歌山県編(8月17日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

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第三十八話 Saya受かったと思うよ!!

大阪府大阪市⇔和歌山県和歌山市
前回までの補正移動距離 8709.7km
区間移動距離 144.0km
概算総移動距離 8853.7km

≪和歌山県和歌山市 JR和歌山駅≫

8月17日 AM10:00
 大阪から和歌山駅に着いた。
 和歌山までは、およそ1時間強。
 和歌山市の中心地は閑散としている印象を受けた。
 南海電車の和歌山市駅とJR西日本の和歌山駅は、およそ3km強。
 歩いて30分ほどかかる。
 その中間地点に、アーケード街が広がっていた。
 土曜日であったが、人通りも少なく、閑散としていた。
 喫茶店に入るも、頭の中が様々な思いで駆け巡る。
 Sayaは、最終面接大丈夫だろうか?
 万全に務めたつもりだ。
 しかし、何にも手に付かないのだ。
 この旅では、どんなに辛くても、動いてきたし、動けてきた。
 一旦、リフレッシュしよう。
 
 気分転換をしよう。
 
 和歌山の街歩きをして、大阪難波に戻った。
 改めて考えたら、旅以前から2か月以上休みを取っていなかった。
 今日は、休息日にしようと。

≪大阪府大阪市 道頓堀≫

8月17日 PM2:00
 「ちょっと話だけでも、聞いて行ってください?」
 「13秒止まってもらえます?」
 昼から、客引きが多い、大阪ミナミの道頓堀。
 それだけ、繁盛しているということだろう。

 キモチを完全にオフにした俺は、休暇としてゆっくり、腰を下ろして、その動きを眺めてみた。
 実に、彼女達はエネルギッシュに動く。
 そして、めげる様子も見せずに再び動く。
 その内、ただ動くだけじゃなくて、様子を見ながら、動く子が居る事に気が付いた。
 独特の≪間≫の取り方
 緩急を付けた≪間≫とも言えるだろう。
 客引き論議は、大阪を国際的観光都市にしていく上で、価値を損ねるという声も多い。
 しかしながら、その実で、やり方を考えて行けば、価値を高める方法もあるのではないか。
 ≪間≫というのは、ある種文化なのだから。
 
 そんな事を考えながら、再びぼんやり道頓堀で佇む。
 そうこうしていたら、電話がなった。
 Sayaからだった。


≪大阪府大阪市 道頓堀川のほとり≫

8月17日 PM4:30
 「おつかれさまです。今終りました」
 予想よりも長い時間だったから、社長さんとじっくり会話できたかなと思いながら、俺
はこう言った。


 『まずは、お疲れ様。大変やったな』
 東京での彼女の労を、少しでもねぎらいたかった。

 「そんなそんな。先方さんの社長さんを始め、皆様にありがとうの感謝でいっぱいです
よ。まずは……」

 彼女から聴こえる声は、弾んでいた。そして、面接であったこと、長くなった理由など
を丁寧に教えてくれた。
 「ホントに、私の出せる部分全て出し切りました。」
 俺は、この言葉を全て聴き、頭の中に整理しながら、責任をもった言葉を言った。

 『Sayaそれは、受かった(内定でた)と思うよ!!』

 今までの傾向を見ても、社長さんとの会話、彼女の振り返りを加味して、ある程度低め
に見積もっても、それ以外の答えは無いと確信していたからだ。
 続けてこう言った。

 『これであかんかったら、しばらく休んだらいいねん』

 俺には、一つの準備があった。
 顔が利く会社が、いくつもある。
 
 彼女の人柄を伝え、俺と一緒に同行していったら、必ずやどこか決まる。
 むしろ、俺の仕事に同行させた上で、気に入った会社を、肌で感じてもらうという≪荒
業≫を用意していたからだ。
 「早く結果出てほしいです。良くても悪くても。でも絶対ここで、みなさんと仕事した
いんです」
 返す言葉で、俺はこう言った。

 『多分、明けて月曜日。結果出ると思うで。電話掛かってくるのを待っときなさい』
 「はい。今日は、今から友達と会ってきますね」
 『おー。楽しめよ』
 「はい。ありがとうございます」
 
 そして、電話を切った。
 ようやく、俺の身体が動いてきた。
 
 気力も溢れてきた。
 また、全国ツアーやりたいなと思いだしてきたのは、この日位から。
 そして、旅で撮影した写真を使って、写真展をやろうと本格的に動き出したのも、この
日から。
 そして、その日の夜 8月6日秋田で知り合った大学3年生と、電話をした。

 エントリーシートの添削について。
 
 それは、秋田県での≪ドリカフェ≫の始まりだった。

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