社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(4)
なにはともあれ、社員採用だ
復帰して最初に取り組んだのは、いわゆる人事業務における、『中途採用』面の立て直しだ。
いや、立て直し、というよりは、0からの構築という方が近いかもしれない。
当時、新卒採用の前例はなかったし、何年後かの春の入社まで待っている余裕もなく、社内での育成の実績もなかったので新卒は一旦あきらめ、中途採用を行うことにした。
一般的な企業の中途社員の採用方法としては
- 自社Webサイト(コーポレートサイト)からの一般募集をかけて自然にエントリーがあるのを待つ
- リクナビNEXTや、enjapan、@typeなどの転職サイトへお金をかけて掲載しての募集
- リクルートエージェントや、インテリジェンスの、人材紹介サービスの利用
などが挙げられる。まずは片っ端から着手することにしたのだが
ひと通りあたってみるも、人材紹介系は全滅。転職サイト系では、エンジャパン等が、事件から6ヶ月が経過したら掲載OKということで、嬉しかったことを覚えている。
思えば、エンジャパンは事件前から出稿していたのだが、当時、採用における1回あたりの費用の決裁が10万円以下までという、時価総額6000億円の会社で、どんだけケチくさいんだ、という状況で、長らくFindjobというmixi社が運営している安価な媒体(当時、1回2週間掲載で3万円~という破格だった)を利用していたのだが、どうにかこうにか、1回の掲載が一番安いプランで30万円のエンジャパンを、異例の3分割支払いにさせていただくという涙ぐましい努力も、この時は、無駄ではなかったのかもしれない。
Findjobには事件後も引き続き、出稿した。
まだ、スマートフォンなんて誰も持っていない時代である。
自社サイトによる募集に望みをかける
特に今の時代、Web系のビジネスをやっている企業で、自社サイトにおける採用ページがイケてない企業は、いかがなものか、と常々思っている。
しかしながら、事件前は採用なんて力を入れなくてもどうにかなっていたので、例に漏れず、採用ページはグダグダ。いくら有料媒体で募集をかけても、多くの応募者は、その企業の会社サイトを事前に訪れる。そこで、応募したくなるような体裁でなければいけないと考えた。
また、有料の採用手法と比べてると、明らかに入社に対して意識の高い人の募集比率が高いのも特徴だ(企業に紹介されて入社を検討する人と比べれば、それはそうなのだが) こんな時だからこそ、自らの意志でlivedoorへ入社したい!と思える人材を、是非とも採用したかった。
そこはWebの会社。突貫工事で、ある程度見栄えのするところまで漕ぎ着けることができ、応募者数も徐々に増えていった。
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