えにしつむぎ 第10縁 『いわきにゴスペルを...前編』

いわき市で歌を教える仕事に就いてもう13年。現在は若干数の生徒さんを月イチの来市で引き続き教えている。郡山でも教えていたので、ピーク時には月120名程の生徒さんと接し、今迄で教えた数は200名超か。とにかく沢山の皆様との歌縁に感謝。1999年、ひょんな事から「ゴスペルを教えてみない?」という一声で、全くピアノが弾けず、楽譜が読めずの24歳の私が四苦八苦しながら、ヤマハの講師資格を2度目の受験で取得してからのその道のり。着任してすぐヴォーカルコースとゴスペルコーラスコースを受け持った。いわきで初の本格的ヴォイストレーニングが受講可能、ゴスペルグループも他になく、当時の映画「天使にラヴソングを」で列島的人気と化した話題のゴスペル教室いわき初上陸とくれば、瞬く間に沢山の人が集まった。教えた経験も無く、楽譜を見れば目眩がするような状態でこの一年間の授業は、毎回内心大混乱。黒人音楽が好きで歌うにも長けているから勘で大丈夫...とは甘かった。ゴスペルは音楽的にも高度で苦難の連続。そんなある日「レッスンは毎回がステージと同じだよ」と先輩講師に云われてから成る程、違ってきた。人の空気を操る事、前に立つ振る舞い方、言葉使い、言葉の間、掴み方、指針を示す事...回数を重ねる毎に、毎回が新しい実例である怖さに慣れてきた。ノンクリスチャンゆえに葛藤はあったが、私なりにゴスペルの根底にあるものに向かい、伝えた。2001年、40名以上の登録生で市主催のイベント「わくわくいわき」に出演、これが初めてのお披露目となる。当時、市内イベントステージに大人数のゴスペルグループが出ることはなかった。マイクのセッティングに困難し、まずゴスペル特有のコード理論に長け、弾ける伴奏者が見つからず苦悩した。発表会も前例が無く、教室主催の楽器店側の説得と担当者とのやり取りに心底苦労した。けれどめげずに、教会での初ソロライヴを成功、毎年恒例の年末ライヴを満員動員させ、次々と実績を築いた。今いわきでも幾つものゴスペルグループがある。この教室で共に歌った面々も個々で素敵に活躍している。私がこの街で一番多い縁は、歌うを通じて、ゴスペルソングを伝えるを通じて。かつての盛り上がりこそ無いが、今の教室の皆「コラヴォイス」の面々とも、ようやくソウル(魂)の部分で紡がれている感じ。のんびり温か、それで良いのだ。新しい誰かをいつでも迎えれるように。あ、お気軽にご参加を。詳細はイラスト参照。後編に紡ぎます。

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