人生 最大の大転機!!
ボクは釣り好きである。
釣りのためなら、野を超え、山超え、海だって超える。
そう、海外だって行ってしまうほど…の、気◯印なのだ。
子供の頃からそうだった訳ではないが、生まれ育ったところが東京の大田区。
羽田空港からほど近く、運河は目の前にある。
日本の高度成長の影で人知れずスモッグとヘドロにまみれた海や空が、「そうなのだ」と思いこんで育った。
そんな運河でハゼ釣りを覚え、カニを取り、トンボを見つければ「お!チャンだ!チャンだ!!」と言って工場の煙突からモクモクと噴き出る煙とともに大型トレーラーの間をぬって走り回った。
我が家はだんご3兄弟。6つ上の兄、その年子のまた兄、この二人の影響で、ボクの頭の中は、小学校に上る前から常に音楽で満たされていた。
有線放送のごとく様々な曲が流れ続けていたが、とりわけビートルズが多かった。
そう、ビートルズが四六時中流れていたのだ。
クラスの皆んなは、ヒデキにヒロミ。百恵ちゃんにキャンディズだったのに、それにはどうも馴染めなかった。
そんな影響で音楽好きだったこともあり、「バンドを組もう!」なんて事を考えていた、少しマセた子供だったのだろう。
中学に入学すると音楽にのめり込み、音楽活動に日々明け暮れた。
当然、学業は疎かどころではない。ドンケツのドンケツ!更にそのドンケツだ!!
だけど、ボクには夢がなかった。。。。。。。。。
これだけのめり込んだ音楽でさえ、プロになりたいとか、そういう夢がなかったのである。
他愛のない夢もない。将来、◯◯になりたいとか、そういうのも・・・・ない。
知らず知らずに、自分で自分に蓋をしていた。
高校を卒業したら、バンドも今までのようには続けない。。。
そう勝手に、ボクの頭は決めていたのだ。
就職は一番楽な道を選んだ。実家が商売をしているので、そこに転がり込めばいい。。。
従って就職活動などしたことがなく、皆さんのご苦労はよく分からない。。。。ゴメン
そんな折、ボクは「子供の頃、釣りが好きだった」事を思い出したのだ。。。
今では車も乗れるし、トラックだけど車もあるし、どこへでも行ける!!
そうだ、湖へ行こう!渓流へ行こう!
その頃、高校を卒業して1年が過ぎた頃だった。
「もしもし? よー、モッチー元気??」
モッチーは、ボクの高校の同級である。大体、モッチーと呼ばれる者の苗字は想像がつくだろう。。。。(笑)
ボクは高校の同級に突然電話をした。ものすごく仲が良かったわけでもなく、ごくごく普通の友達だったと思う彼に、いきなり電話をしたのだ。
きっと、怪しまれたに違いない。
大抵、そんな電話は強引な宗教の勧誘か、怪しいネットワークビジネスのお誘いだ!
(一つ誤解しないで頂きたいが、今では宗教もネットワークビジネスも大賛成であります!!)
しかし、電話の内容は、こうだった。。。。
「あのさぁ、今度さぁ、釣りに行かない??そそ!釣り!!」
彼が釣り好きと分かっての電話攻撃ではあったが、在学中だってそんなに頻繁に連絡なんてしなかった彼に、いきなり釣り!?^^;
「いつ行く??」
ボクの強引な釣りへの勧誘が続いた。。。。
「じゃぁ、今日が水曜日だから、今度の土曜はどう?」
いつ行くの?今でしょ!と、言わんばかりの強引さで、彼を引っ張りだした。
そこからボクの毎週・釣り三昧の日々が続くのである。
やりだすと凝り性のボクは、徹底的に釣りに打ち込んだ。
なんの苦労もないボクは給料の大半を釣り具に変えていった。
給料日の夜には、給料の殆どが、もう底をついている。
そう、給料はすべて釣り道具になっている始末だ。
勿論、ボクの部屋は釣り具だらけ。きっと小さな ”釣り具屋” が出来た事だろう。。。。
そんな時、「海外で釣りをする」人に出会った。
え、確かにそれも ”あり” だけど・・・、思いもよらぬ出会いに衝撃を受けたのだ。
まあ、一生に一度くらい良いではないか!?と、勝手に自分の行動を正当化し、その翌年の夏にはアラスカへ行ってみた。
この経験で、ボクの中で何かが弾けた。これはまずい!と思いながらも、どうにもとまらない衝動が爆発し始めたのだ。
更に翌年はカナダへ行くことにした。
ここで、ボクの中の「人生最大の大転機」の切っ掛けになる日本人青年に出会うのだ。
「ようこそカナダへ、タカハシさん!!」
「あ、どうも!え?あなた日本人でしょ?凄いなぁ、カナダで働いてるんですか??しかもフィッシングガイドなんて格好いいなぁ!!」
「はい、ワーキングホリデーで来ています!いや、自分はガイドの助手ですよ!」
「え、なにそれ??ワーキングなのにホリデーなわけ??」
「はい!誰でも簡単に取れますよ!」
「え?誰でも????簡単に??」
ボクは、この瞬間に初めて自分自身で決心みたいな気持ちが芽生えた気がするのである。
カナダから帰国したボクは密かに "ワーキングホリデー" に思いを馳せ、着実に下準備を始めた。
そして家族には、出発の1週間前まで知らせずに・・・・・・。
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