セブのタクシードライバーのおっさんの話がすばらしかったという話

東京+マニラ出張のため、早朝に自宅を出て空港に向かう。
タクシーの中で高額紙幣1,000ペソしか持っていないことに気づく。こういう場合、タクシーの運転手は99%おつりを持っていない。やっぱり持っていない(「今日は昼飯代50ペソだけ持って出かけたのさぁ。」運転手氏談)ということで、途中のコンビニで買い物をして小額紙幣を手に入れようと思ったけど、コンビにでも1000ペソでの買い物を拒否された。
つり銭くらい準備しておけよ!と思うが、一説によるとフィリピン中央銀行自体がコスト削減のためコインや小額紙幣の発行を抑制しているという話も聞くので、店の人ばかりを責めるわけにもいかないか。
それで、タクシーの運ちゃんがいろんなコンビニやガススタをハシゴして、小額紙幣のゲットを手伝ってくれた。道すがら昨日の地震について話す。以下、運転手氏の話。
「びっくりしてさぁ、津波来ないってラジオでは言ってたけど、急いで家帰って家族乗せてグアダルーペ(山の方)に走ったぜぇ。」
やっぱり行ったのか、山に。あんまり学習していないな、おっさん。
「まあ、ウチなんかは子ども4人(妻、両親、計8名を1台のタクシーに乗せたらしい)だけだったから、1台の車に乗せられたけど、子どもの多いところぁ、逃げるのも大変だよな。」
いや、まあ、こっちでは少ない部類に入るのか。
ところで、地震が起こったとき、おっさんはセブ市内北方の比較的高いところを流していたらしい。が、すぐにダウンタウン海沿いの自宅に光の速さで帰ったとのこと。おっさん、津波が怖かったんだろ、一人で逃げようとは思わなかったの?
「だけどさ、家族がみんな死んだら一人で生きていても仕方ないだろ。1台の車で逃げて、そん時死んでしまうのなら、仕方ないよ。津波がそのまま天国まで流して行ってくれただろうさ。」
おっさん、いいこと言うじゃねぇか。
「まあ、家族は生きるも死ぬもいつでも一緒さ。これだけがんばってダメだとしてもイエス様はきっと天国の扉を開けて待っていてくれるよ。そしたらまた家族で楽しく過ごせるだろぉ。」
あんたナイスガイだよ。
「俺の家って、結構古いからいろいろ壊れちゃったけど、家族みんな怪我一つせずに無事だったのは、やっぱ、神様のおかげだよ。ほら、ボホールの教会はほとんど壊れちゃっただろ、でも、セブのサント・ニーニョ教会は鐘楼が崩れただけだった。あれは、サント・ニーニョ様が自分の家の塔を身代わりにして街を守ったんじゃないかなあ。やっぱり、セブは特別な街だねぇ。」
やっぱ、セブの人ってこういうマジナイを信じているんだなあ。ところで、おっさんは道々のガススタに寄ってくれて、やっと7,8軒目で細かいお金を手に入れることができた。
フィリピンっていうと怖いイメージを持つ人もいるかもしれないけど、ほとんどの人はこんな気のいい人ばかりです。

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