なぜか見ず知らずの欧米系ハーフ美女と一つ屋根の下二人で生活することに(現在進行形)2

前話: なぜか見ず知らずの欧米系ハーフ美女と一つ屋根の下二人で生活することに(現在進行形)1
前記事で言及した11月16日土曜日に開催される予定だったファッションショーだが場所を変えてマニラで行われることとなった。バギオからマニラはバスで6時間程かかるということもありLは今回のショー参加を見送った。

予定がキャンセルされぽっかり空いた週末。これはチャンスと思い金曜日の夜に一緒に飲みに行かないかと誘った。Lは".....OK." と若干の間があったが、何はともあれ大きなチャンスをゲットしたことには違いない。

このチャンス逃すまいと飲みに行く前にビール大瓶1つを飲み干し、夕食をあえて抜くことですぐ酔えるよう準備は万端。というのも、お酒の力を利用して普段聞けない2つの質問をしようと思っていたからだ。

好きな男性のタイプは?
好きなタイプの範疇に私は食い込んでいるか?

この2点についてどうしても聞いておきたかった。今後どのような関係を築いていけばいいのか、ある程度の道しるべになると思ったからである。

我々は韓国人がよく利用するカフェウィルへとタクシーで向かった。いつになく話の弾む車内、今日はとんでもなく良い事が起きるような、そんな気がしてならなかった。

到着後、私はストロベリーパフェにチャミスルという韓国の焼酎、Lはビールをオーダー。焼酎にパフェ?どんな組み合わせなの?とLは笑う。狙い通りである。

そして楽しく乾杯。

私は "久しぶりに飲むチャミスル、そんなに強くないな" とぼそっと言う。これが後々大きな落とし穴となり、私を地獄の底へと突き落すこととなる。

お酒の力もあり話は弾み、スムーズな流れでLの好きなタイプを聞くことができた。Lは好きになったらその人がタイプだし好きになれば誰でもいいと答える。まあそうだよねと思う私。私が持ってる要素を挙げ、君の事結構好きよ的な雰囲気を期待してたがそんなに現実は甘くない。

とにかくその場は楽しくがんがんチャミスルを飲む私。もっと飲みなよと言うL。その期待を裏切らないペースで飲む私。Lが喜ぶためならなんでもできる、そんな強い気持ちとともにチャミスルを飲み干していった。

....気づくと私はトイレの中でゲロまみれで店員に起こされていた。

えっ、状況が全く読めない私。

そう、やらかしたのである。

オワタ、完全にオワタ....

オワタだけで頭がいっぱいで他に何も考えられない。誰一人いない店内に一人で立ち尽くす私。

"一緒のつれはいないのか?君を置いていくなんてひどい奴だ" と店員。

いやいやいやいやいや、飲みに誘っといて急に消えた私が100%悪い、とにかくオワタしか頭を駆け巡らない。

ゲロまみれのままタクシーに乗せられる私。

家に着くもLに合わせる顔がなく、家のドアを開けるのが怖くてしょうがなかった。勇気を振り絞ってドアを開けるとLの友人Aがいた。Lはもう寝てるから、と一言だけ言われた。おそらく会計でお金が足りずAを呼び一緒に帰宅したのだろう。オワタな状況の私。

とりあえずゲロまみれの服を洗濯機に押し込み、Lに謝罪文をメッセで送りその日は就寝。

翌朝、携帯をチェックしたが返信はない。オワタ...

部屋を出るとLとAが外出の準備をしていた。私と目を合わせないL。

まじ昨日はごめん、何も覚えてないんだ、と100%の力で申し訳なさを表現するもLは頷くのみ。戸惑う私を避けるように2人は家を出ていった。

Lが家を出る時、追い打ちをかけるかのような言葉が聞こえた。"OH SHIT, HE IS...." ここでドアが閉まった。その後続く言葉は聞かなくても予想はついた。

ゲロの匂いのする髪、歯磨き粉の付いたずぼん、そして洗濯機の中にあるゲロの匂いのとれない服たち(たばこも一緒に洗濯してしまったようで中はぐちゃぐちゃである)とともに残された私。

学生時代何度も経験した同じ状況も年を経て周囲から大人と認識されるようになった今では全く意味が異なる。

私はLの優しい笑顔を取り戻すことができるのか....

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