やっとスタートに立てたのだ。(2)

前話: やっとスタートに立てたのだ。(1)
小学校3年生になったらクラス変えか何かで担任の先生も変わりました。
 
今度の先生は大学を出たての男の先生です。背が180cmもあって髭が濃くて、だけど下の名前は「光」・・・子供心にもすごいギャップやなーって思ってました。
そんなF先生、例のおばあちゃん先生よりは豪快でした。悪さしたらケツ叩きやビンタは当たり前。例のおばあちゃん先生はそこまでしていませんでしたからね。
 
当時私が9歳で先生は23歳です。今の私からすれば23歳なんて若いし、14歳差って会社の上司ぐらいの感覚だからどうってことありませんが、9歳から見たら23歳はすごい大人なんですよね。
「大人って怖いなー」「おっさんってこわいなー」
そんな事を9歳は感じていた・・・ように思います。ちょっとこのへんも曖昧なんですが。
 
でもF先生・・・人の悪口陰口は一切言わなかったです。逆にそういうのを叱るような・・・先生だから当たり前なのかもしれませんが、そこってどうしうてもその人の性格が出るんですよね。とにかく真っ直ぐな先生でした。
教壇での授業も、体育でも、その他のレクリエーションでも皆に真剣でした。よく笑って、時々怒って、何か涙もろくて・・・とてもいい先生だったなと今でも思います。こんな僕にでもこんな言葉をかけて貰えたんですから。
「お前はやれば出来るんだ!自信もっていけ!」強い言葉でしたが、優しい言葉でも有りました。
 
鮮やかに覚えてるのは、いつかの家庭訪問での出来事です。F先生はこんな事を嬉しそうに母に話してくれたんです。
「玉利君はこの前の球技大会で凄く頑張ってたんですよー!大活躍でしたよー!」「勉強の方も最近頑張ってますからねー」
あそこで「頑張ってる」って言ってもらえたのが、私のスタートなんです。実際にその頃から、運動も勉強も自信をもって取り組めるようになりました。
 
その後もF先生は笑ったり、怒ったり、泣いたり、悪ふざけをしたり、時には「俺の事を大先生と呼びなさい!」とアホな事言ってました。時には僕ら生徒たちを自宅に招いてくれたり・・・まあいろいろ楽しかった思い出が有ります。
結局、先生は2年間私の居たクラスの担任をした後、別の学校へ赴任する事になりました。他の先生とそりが合わなかったにおか、単に辞令の事だったのかは分かりません。ただ、誰よりも熱い先生で、他のそうでもない先生からは浮き上がっていたような気がします。
そんな事を知ってか知らずか、先生は本当の最後の授業でこんなメッセージを。
「先生が変わっても、今まで通り一生懸命頑張れよ!やる気なかったり、新しい先生と俺を比べてブチブチ文句言ったら、いつでもドツきに行くからな!」
 
今思っても真っ直ぐで熱くて、本当にいい先生だったと思います。その後の私は、ずっとぽっちゃり気味だったり、勉強もしたりしなかったりしましたが・・・F先生が与えてくれた「スタート」のお蔭でいろいろな事を頑張れたと思います。
 
ちょっと気がかりなのは、あの阪神大震災を境にF先生と連絡が取れなくなった事です。それが本当に気がかりで・・・。

著者の玉利 晃嗣さんに人生相談を申込む

著者の玉利 晃嗣さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。