一寸先は闇だけど

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は一応シンガーソングライターということになっているけれど、別にメジャーデビューしているわけでもないし正直全然大したことはない。
ただ今僕は25歳であり、その年齢はひとつの節目だと思っていて26歳になる来年の4月に向けて、これまでのことをいったんまとめてしまうのも良いかなと思い立ち、自宅のPCのキーボードをパチパチ叩いている次第です。
もちろん芸能人の暴露本みたいに赤裸裸に己の恋愛事情を書くわけにはいかないし(そもそもネタもないし求められてないだろ)、記憶も曖昧だったりするから、話半分だと思ってベッドかソファにでも寝転がって、好きな音楽でも聴きながら、スマホとかiPadで気楽に読んでもらえらえばと思う。
これから何回かに分けて書いていこうかなと思っている小話は、今から9年前が起点になる。今回は序章だと思って読んで欲しい。
当時16歳だった僕はオーストラリアに単身で1年間留学したんだけれど、それが僕の四半世紀に渡る人生の中でのひとつの転機だったと思う。(いささかおおげさだけど本当にそう。)そして日本に帰国し受験勉強を始めて1年後、早稲田大学に入学するために上京した。
受験中はもちろん入学当初も「何故大学に行くべきなのか」もよくわからなかったから、大学に入ってからもずっと模索する日々が続いていた。格闘技好きでもないのにボクシング部に入ったり、コンビニで早朝のバイトをしたり、大学寮で遅くまで友人と夢想に明け暮れたりしてた。
そんな自分探しの延長で大学1年の夏にバックパッカーでタイとカンボジアに行ったことがきっかけとなり1年後【CIESF】という団体の立ち上げに関わることになる。
何か夢中になれるものを探していた僕は自分の退路を立つ為にも大学を1年間休学することにした。今となってはあの決断が僕の人生を少なからず変えたように思う。(これが二つ目の転機)
それから1年半ほど活動に関わり、留学することが大学の卒業条件となっていたのでシンガーポールに1年間留学して、ついでにいろんな国をバックパッカーとしてまわった。
東南アジアやヨーロッパをまわって日本に帰国したのは2011年の夏だから、震災の時、僕は日本にいなかった。日本が大変なことになっていると友人に言われ、BBCで流れる津波の様子をパソコンの画面で見たときのことは今でもよく覚えている。
帰国後の僕を当然のように待ち構えていたのは就職活動だったけれど、正直どこにも就職する気にはなれなかった。まだ自分に何が向いてるのか、何が本当にしたいのか、なんてことはよくわからなかったから。もちろん今でもよくわからないし、そんなことは一生わからないのかもしれない。
ただCIESFの活動に区切りをつけ大学に復学した頃からなんとなく自分で曲を作り始めていて、それはそれなりに僕の気持ちを支える「何か」になり始めていた。とりあえず、これをこのまま続けられたらなぁ、なんてことをぼんやりと考えていた。
それでも両親を安心させるために2社受けた。そのうち1社で内定をもらったので内定者のインターンをした結果、やはり就職はしないことにした。一生懸命働くのは素晴らしいことだと思ったけれど、時間を使って努力する方向性が自分の中のベクトルと一致していないと、それはもったいないことだと感じたし、高級感漂うオフィスや、社会的なステータスや社員割の美味い弁当は良かったんだけれど、なんだかそういうものに馴染んでいく自分が怖かった。
考え迷った挙げ句、なんとかなるだろ、と思い結局は大学を卒業して独立することにした。今年3月には友人と会社を興して、日々細々と唄を唄ったり、物を書いたり、とある学習塾のプロデュースをしたりして活動してきた。個人としても会社としても、これから何をしていくかは正直まだ全然未定だし難題は山積みである。
でも、だからこそ楽しい。【一寸先は闇】みたいな状況で何年かやってきて思うことは、そりゃそうだろうよ、ということである。そりゃ一寸先は闇だろうよ、と。でもそれでいいのだ。手探りで自分の頭で考え選択して、つまづき転びながらも歩き続けていけばいい。そうすれば後ろに道ができて、それが結局自分というものになると思う。
序章と称してずいぶん長くなってしまったけれど、これから書いていく語りは16歳の僕が今まで歩いてきた道についての話。いや、道というよりはその道中で出会った人たちの話かもしれない。どんな人に出会い、何を見て、何を感じて生きてきたのか。なるべく自分に正直に書いていこうと思う。
念入りに文章を練ることのないまま世に出てしまうので、遡って更正を加えたりすることもあるだろうし、いつまでこの物語を公開できるかも分からない。でもせっかくの機会なのでそれなりにしっかりと書いてみようと思います。これから先のことは僕自身もわからないけれど、みんな違う道を歩いているわけだから、ここに書いていく経験や考えが読者の参考になってくれればいいと思う。

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