もと海外添乗員のぶっちゃけ話 その14 ぼく添乗員(ドラえもん風に)

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添乗員によると思いますが私にとってバスは勝負所でした。

ツアーによっては長い移動が伴います。
そのバスの中でどう過ごすかということはとても重要だと思います。
音楽をかけて、車窓の風景をお楽しみくださいっていうのもアリだとは思いますが、この時間を使って現地への理解を深めていただければ、旅行がより印象的なものになるんじゃないかなーと考えていたので、ひたすら現地事情や歴史の話をしていました。
その結果、社内でも『うんちく添乗員』と呼ばれるようになりましたね。良いんだか悪いんだか知りませんが。

宗教話は世界中で鉄板ですね。

キリスト教の成り立ち。カトリックとオーソドックス、プロテスタントの違い。それに伴う建築様式の違い。キリスト教とイスラム教の関係性の深さ。コーラン。五行六信。ムハンマドの生涯。ユダヤ教の戒律。2進法。ヴェニスの商人。ヒンドゥーの神々。ヒンドゥーと仏教の関係性。シヴァ神のリンガ。大乗仏教と上座部仏教の違い。チベット曼荼羅。パゴダ。アオテアランギ。マウイ。カレワラ。北欧神話。ギリシャ神話。ビラコチャ。ケツァクアトル。
ここらへんはそらで話せるようになりました。
全く人生には役に立たないネタです。もう趣味みたいなもんですね。

『明日から使える添乗員小ネター』テテテテッテレー

「ぼく添乗員」ドラえもん風に。
ヨーロッパで使い勝手がいいはなし。
1.カトリック建築様式は、あいうえお作文で覚えよう!
2.キリスト教は迫害されて当然だった?
3.ユダヤ人のいじめられっぷり。
の三本立てだよー!みんな劇場に遊びにきてね!
1.カトリック建築様式は、あいうえお作文で覚えよう!

バロックやらルネッサンスやらよくわかりませんよね。ただ時代順に追えるようになると、建築技術の発展が理解でき、教会を見るのが楽しくなります。
教会建築の様式を簡単に覚えるための言葉がこちら。
『ローマ人のゴルバチョフ』
ローマ人の:ロマネスク様式
:ゴシック様式
:ルネッサンス様式
:バロック様式
どうでしょう。覚えやすいですよね。
それぞれの建築様式の特徴を話し始めるとキリがないのでざっくりと言うと
ロマネスク様式:壁が厚く窓が小さい
ゴシック様式:上へ上へ。ステンドグラスとフライングバットレス
ルネッサンス様式:均衡と回帰
バロック様式:装飾過多
これを元に様式当てクイズなんてすると面白いですよ。
(写真はラヴェンナ、サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂。見事なロマネスク様式の教会です。夏にはここでコンサートが開かれたりします)
2.キリスト教は迫害されて当然だった?

キリスト教は今では世界中に広まっていますが、当時は新興宗教だったわけです。そして、彼らは迫害を避けるためにカタコンベ(地下墓地)なんかで夜な夜な集会をしていました。
新興宗教の人たちが骸骨が転がってるカタコンベで集会してるなんて、気味が悪くってしょうがないですよね。
どんな歴史だって人が関わって紡がれます。当時の人間の立場になって、モノを見ることはなかなか面白いですよ。
(写真はローマのサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会)

3.ユダヤ人のいじめられっぷり。

ユダヤ人というと金融を通して世界を支配する〜なんてイメージ持たれているかもしれません。確かに金融界で有名なユダヤ系の方多いですもんね。
しかし、あれは理由があるんです。
キリスト教国家において、ユダヤ人は迫害の対象でした。誤解を恐れずに言えば、非人のような扱い。なので、当時は穢れているとされていた金貸業をユダヤ人に押し付けました。(厳密に言えば金貸しで利益を生み出すことを悪としました。これはイスラム教も同様です)それが結果として金融の仕切りがユダヤ人になったわけですね。
ついでなのでもうひとつ。何故ユダヤ人は指輪やネックレスなど装飾品をじゃらじゃら付けているのか。
ユダヤ人たちは国家を持っていません。そのため彼らに取って安住の地はありません。
今いる国で、いつ迫害や対立が過激化して追い出されたりするかわかりません。いつでもリスクを抱えているわけです。
困った時には、他国へ逃げていちから生活を築かなくてはなりません。そのため、世界共通で現金化しやすく持ち運びしやすい宝石などを身につけているんですね。
それが転じてか世界中のダイアモンドが取引されるベルギーのアントワープには本当に多くのユダヤ人が住んでいますね。
しかし、ヴェニスの商人でのユダヤ人の扱いってヒドいですよね。
借りた金はちゃんと返すべきだと思うんですが。まぁそれだけ当時嫌われてたって事なんでしょう。
(アントワープといえば、フランダースの犬。写真はネロとパトラッシュが最期に見たルーベンスの絵)
なんか妙なテンションで始めてしまったので締め方がわからないんですが、明日から使える添乗員ネタ、お楽しみいただけたなら幸いです。

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