もと海外添乗員のぶっちゃけ話 その17 ビジネスクラスツアーの功罪

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物申す!

すでに大分物申してますが今回は特に気合い入っています。

昨今増えてきたビジネスクラスツアーに付いて。

本当に増えました。結構人気ありますね、ビジネスクラスの旅。
あれってほんとーーーーに厄介な旅です。マジで勘弁してほしいです。
物申す!

ツアー作成の背景:土壌

あれって基本的に航空会社さんからオファーが来て作られるものです。
航空会社さんとしては空席で飛ばすことほど無駄なことはありませんから、
空席が多く出そうな特定の時期の席を安く譲ってくれます。

ビジネスクラスの名の通り、ビジネス客が少なくなる夏の長期休暇期間が最も多く、その次くらいが年末年始です。
その特別料金でもって、ツアーを作成すればビジネスクラスにしては安価なツアーが出来るという寸法です。また、その安価さを強調するために、ランド費(ホテル費用やガイド費用、移動費用など)はごりごりに削られます。

航空券が安いからといってランド費を上げてしまえば
『ビジネスクラスの旅なのに安価』
というメリットがなくなってしまいますからね。
これがトラブルの土壌です。ふぁっく

そういう旅を選ばれるお客様:種

お得感というのがこのツアーの魅力ですから当然かと思いますが、金銭感覚がしっかりしているというんでしょうか。お金に厳しい方が多い傾向があると思います。自分で事業をされていたり、大きな企業の元お偉いさんが多かったですね。
これはトラブルの種

イメージという諸悪の根源:呼び水

『ビジネスクラス限定の旅』というとどうしてもイメージ的には優雅で贅沢な旅を思い浮かべられるのが一般的です。
これがトラブルの呼び水です。

これらを一緒にすると、どうなるか。

すくない予算で『優雅で贅沢な旅』を求める厳しいお客様方

きびしー。本当に勘弁願いたい。
バスの中、他のお客様の前で怒鳴り散らされたこともあります。
帰国後、満足いただけなかったお客様に呼び出され、裁判沙汰を盾に旅行代金の返金を求められたこともあります。
食事のテーブルに直射日光が当たるからといって3時間ほど説教されたことにはくらいました。
よくわからん厳しさですね。というか、添乗員をぼっこぼこにして何が楽しいんでしょうか。私にはよくわからない行動ですね。
窮鼠猫を噛んじゃいますよ。ブラックリスト申請しちゃいますよ。

添乗員の最後の手段 ブラックリスト

各旅行会社にはブラックリストというものがあります。
添乗員最後の自衛手段ですね。
自衛というか『俺の屍を越えて行け』って感じです。
もしくは『ここは俺に任せて、先へ行け!』って感じかな。
いずれにせよ、自分はやられちゃいますけど。
まぁよっぽどです、よっぽど。
しかし、なくはない話です。
もちろんお客様情報は個人情報なので情報を開示することはありませんけど、話を伺っていると他の旅行会社さんもあるようで、さらに結構同じ人がなっているようですね。
一度、ブラックリストに載せるか添乗を通して判断してくれって言われた時には、会社を爆破してやろうと思いました。ちなみになんの問題もなくブラックリストに載せましたけどね!
ある噂によると、ありとあらゆる会社でブラックリストに載ったお客様を受け入れる恐ろしい旅行会社があるらしいです。
確かに値段がずば抜けて高い。
添乗員にとっては、お化けが出るホテルに泊まるより恐ろしい話です。

もちろんそういうお客様ばかりではありませんよ。

私をかわいがってくれ、度々一緒の旅に行ってくれたお客様もビジネスクラスツアー好きの方だったので、全員が全員厳しい人だったとは言いません。
が、全体として要求が高いのがビジネスクラスツアーの参加者の傾向ですね。
安いツアー、お買い得ツアーには理由があるんです。
ツアー選びには十分ご注意ください。

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