転職大魔王伝「オレ、女子高生にデッサンを教える。」1
taichijungleです。
10代後半から20代前半は絵描きを志して職を転々とし、20代中盤から20代後半は人生に迷って職を転々とし、30代以降はキャリアアップのために職を転々 とした結果、就職7回・アルバイト29種類・起業2回という落ち着きの無さの為、周囲の仲間に「転職大魔王」というありがたい称号をいただきました。
その中でそこそこ印象に残っているものを、順不同で憶えている限り綴っていこうと思います。
女子高生にデッサンを教えていた時の話。
タイトルの感じから、何かしら官能めいた匂いを感じていらっしゃるかもしれませんが、残念ながらそのような甘美なお話しではございませんのであしからず(笑
オレは高校生の頃から美術を専攻していました。
そこそこ有名な美術高校に入学し、微分積分や物理や古典漢文などを全く習わず、その代わりに油絵、日本画、デザイン、彫刻などを学ぶ高校時代を過ごしました。
ですが、卒業後に美術大学を受験するも合格することができず、関東の美術予備校に2年程通いました。(つまり2浪した)
それでも受験に失敗し「さすがに3浪は・・・」と、一旦故郷の熊本に帰ってきました。
そして、美術系大学へ進学することへの未練を完全に断ち切れないまま、とてもお世話になった前出の美術高校の恩師(W先生)に挨拶と報告に行きました。
W先生
おー!タイチかー!どぉーしたー!ひさしぶりだなー!
オレ
先生ご無沙汰しております。あの…今年も芸大受験ダメでした…
W先生
おー!そうかー!ぼくはねー!きみはねー!見所あると思うんだよねー!がんばりなさいよー!
オレ
いや先生…実はこれでもう受験は諦めようと思うんです。
W先生
おー!そうかー!じゃあぼくの教室で先生をやればいいよー!
オレ
…...はい???
W先生
ぼくはねー!きみはねー!見所あると思うんだよねー!がんばりなさいよー!
W先生...
見所があったとしても、実績が無いっすよオレ...
それより、オレの話し聞いてます?
オレ、人生の迷路に迷いこむ。
あまりにも唐突なW先生の申し出は一旦持ち帰らせていただき、オレはとりあえず東京に戻りフリーター生活をはじめました。
(転職大魔王伝のはじまりです。)
絵とは関係の無い今まではできなかったようなバイトなどをやって過ごしていました。
浪人時代は会えなかった仲間と遊んだり、作曲を再開したり、バイクで小旅行に出掛けたりしていたのですが、、、
とにかく、未練タラタラ(-_-)
16歳から絵しか描いてなかったし、他の職業なんて実家の寿司屋を継ぐっくらしか考えたことなかったんで、完全に将来への展望を失っていました。
東京の仲間たちは大学生になってて、地元の友達は就職してて、オレはなんでいかがわしいポスティングに精を出してんだバカちんが!みたいな。
そんな時でした。
自宅に帰ると、留守番電話にメッセージが入ってました。
再生ボタンを押すと、あの声が。
「おー!どうしたー!きみはねー!いつからくるんだー!
もう夏講習がはじまるからねー!ガチャン!」
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