転職大魔王伝「オレ、女子高生にデッサンを教える。」2

前話: 転職大魔王伝「オレ、女子高生にデッサンを教える。」1 

オレ、美術予備校の講師になる。

W先生のアトリエに入るにあたり、いくつかの条件を出されました。
・週5回、1日2時間くらいは高校生の指導をしてほしい。
オレ
結構短いな。まぁいいっか。
・生徒は全員女子校の生徒だ。変な気を起こすな。
オレ
約束はできません。が、留意いたします。
・余った時間は自由にアトリエを使って制作をして構わない。
オレ
ん?別に制作はしなくてもいいんだけどなぁ。
・もう一度、東京芸大を受験しなさい。
オレ
ん?それは別に構いませn… 構う!なんじゃそれ!なんじゃそれ!

先生…
本音はそこだったか…
ホント、泣きそうでした。
オレはホントに幸せもんだわ。
そして、学歴無しの予備校講師(半浪人生)が生まれたのでした。

オレ、鬼講師になる。

はすがない(-_-)
いざはじまってみると、受講生は全員女子校に通う女子高生。専門が「絵画」なので比較的大人しめ。
オレのような専門的な学校のコたちではなかったので、レベルはかなり低く、W先生も自由にやらせている感じだったので、基礎ができてないコがほとんどでした。
とにかく、絵筆は持たせずにデッサン(超得意)だけを重点的に指導しました。(それこそ鉛筆の削り方から矯正)
人数はMAXで10人くらいだったのですが、講師未経験のオレにとっては目が届くギリギリの人数でした。
何よりも...彼女たちを見ながら、自分も同じものを描きあげなきゃいけない(講師レベルのもの)というのは、なかなかハードでした。
ですが...
JK ⑴
先生。おはようございます。
JK ⑵
あの...先生。質問があるんですけど。
JK ⑶
先生。ちょっと見てもらえますか?
JK ⑷
先生、すごーい!



何という甘い響き...
たまんない…
真面目で素直で素朴なコたちが、この薄汚れたオレをそう呼ぶわけですよ。
こういうの、何プレイって言うんですかね?(違

ですが、変な気を起こすところまではいきませんでした。

だって… 彼女たちったらピュアでもう眩しくて眩しくて…
(もったいないことをした)

オレ、甘い夏を終える。

夏休みも終わりに近づき、オレ先生の夏期講習も残り僅かとなりました。
何人か爆発的に成長したコもおり、W先生からもお褒めの言葉をいただきました。
ただオレ自身はあまり成長が見られず、「受験をする」という約束でお請けしたため、不安の残る夏となりました。
講習も終わり、東京へ戻るオレに、彼女たちの何人かが贈り物やら手紙をくれました。
さすがに涙はなかったのですが、オレはどっぷりと金八気分でした。
オレ
東京にくる時は連絡してな!つーか、来年は同級生になろうな!

そんなカッコいいセリフを残し、オレは東京へと戻りました。
そして、以前通っていた予備校に頼み込んで、冬の間だけスポットで通わせてもらいました。
オレは、最後の闘いに必死でした。


ベイビーたち。
オレたち、次に会う時は同級生だぜ。

オレ、優秀な先生なのかも。

時は過ぎ、受験シーズンに突入。
オレは今まで通り、東京芸術大学油絵科一本で受験しました。
その先の人生設計なんてありませんでした。もうホントにプライドだけ。
それなりの手応えを感じて試験終了。

運命の合格発表の結果は、、、、

、、、、、、初の一次(デッサン)での不合格。。

オレ
終わっ、、、た。。



うちひしがれているところに、電話が鳴りました。
W先生
おー!タイチー!どうだったかねー!
オレ
あ、、、すみません、、、、一次で、、、落ちました。
W先生
そうかー!残念だったなー!君はねー!見所あるんだけどねー!
W先生
それよりねー!私のアトリエから4人合格したんだよねー!新記録だよー!

    えっ

W先生
君がねー!基礎を叩き込んでくれたからねー!見所あるからねー!

   ぁぁぁぁ…

W先生
それでねー!来年の夏もねー!君にお願いしたいんだけどねー!

さすがに、丁重にお断りました。
先生。マジ無理っす。

というわけで、可愛い生徒たちからブチ抜かれたオレは、ショックのあまりに一般企業へ就職。
結局その後、人生の目標が定まらないままに渡米。天職大魔王への道を歩み続けたのでした。 ←今ココ


ちゃんちゃん。

まとめ

●業務内容
美術予備校講師(絵画科、夏期限定)
●就労期間
約2ヶ月
●給与
内緒
(アトリエ使用自由)

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