転職大魔王伝「オレ、出版業界へ。」2

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前話: 転職大魔王伝「オレ、出版業界へ。」1
こんな感じのことを吐き出し、荷物を持って事務所を出ました。

オレ、泣く。

その足でオレは、千葉の奥のほうに住む画家さんのご自宅に向かいました。
電車の中で、その方へのお詫びの手紙をしたためました。
「実際はこういうことなので掲載はキャンセルしてほしい。
 本当に申し訳ございませんでした。」
罪悪感で涙が出ました。

画家さんの家はすぐわかりました。
離れにある小さな一軒家でした。その玄関先に画家さんはいらっしゃいました。

オレ
○○先生、初めまして。○○出版のタイチです。
画家さん
まぁビックリしたわ!どうなさったの!でもお会いしたかったから嬉しいわ!どうぞお入りになってください!

画家さんは家に招き入れてくれました。
そしてすぐに、アトリエに連れていってくれました。
そこには、掲載予定だったあの赤い絵がありました。

やはり…下手でした。
画家さんは嬉しそうに色んな話しをしてくれました。
オレはなかなか切り出せませんでした。
そして、掲載されるのを楽しみにしてること、当初予定の金額を早目に振り込んでしまったことを話された時に、やっと話しを切り出しました。
オレ
先生すみません。実は私、個人的な事情で会社を辞めることになりまして。今日はそのご挨拶に伺いました。
画家さん
あらそうだったの!とても残念だわ!
オレ
掲載されたら私も必ず確認しますんで。でもですね先生、先生の作品のセンスを活かすには、もっと基礎を勉強されたほうがいいと思います。先生の弱点はそこだと思います。プロモーションにお金を掛けられるのは今回までにされて、基礎を教えてくれる教室に通われたほうが絶対に良くなると思います。

画家さんは納得し、今回以降の掲載やプランアップは控えて実力をつけると約束してくださいました。
駅まで見送っていただき、画家さんと別れてから手紙を破いて捨てました。
なんかわかんないけど、泣けてきちゃったのを憶えてます。
結局、オレはその本を見ることはできませんでした。
散々探したんだけど、無かったんです。
どこの本屋にも。


まとめ


●業務内容
出稿枠の販売(テレアポ)
●就労期間
約1ヶ月
●給与
月収 ?+歩合
研修期間(3ヶ月)約130,000円

※尚、バッくれたんで支給無し。

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