大学休学中に四国遍路してみた話
はじめに
大学3年が終わってから2年間休学していました。
このまま何ごともなく卒業し就職というのがしっくりこなかった、というのが一番の理由でしょうか。
その間に四国遍路をしたお話をしたいと思います。
四国遍路とは
いわゆる「おへんろさん」で知られていますが、四国4県に点在する弘法大師(空海)ゆかりの88(プラスαありますが)のお寺をめぐることでご利益を得る、というものです。
どこからはじめてもよく、順序を逆にしてもよく、歩いてもよく車でもよくバスツアーでもよいというなんでもありな感じです。
とりあえず行ってみた
どうでもいいことかもしれないが、おへんろさんには序列があるらしい。
【最上級】歩き・野宿・1〜88番までぶっ通し
【初心者向け】バスツアー、自家用車、区切り打ち(小分けに参ること)
もちろん選択肢はひとつしかなく最上級で。
野宿道具一式をバックパックに詰め込み、一路四国へ。

まず2日目で標高700mにある12番札所まで登ったり下りたりして7時間かけて到達したり。
高知県の26番札所らへんの道の駅で野宿してたら暴風雨でテント飛ばされたり。
そのときは周辺の住民の方々が真夜中にトラックでやってきて(しかも何人も)、テントの周りにブロックとかおいていくの。飛ばされないように。しかもこっちは8割寝てたから朝になるまで「誰かいるなぁ」くらいにしか思ってなかったけど。
もう、感謝というレベル超えてる。
かといえば、駅で寝てた時にいきなりコテコテの土佐弁で怒られて追い出されたり。ヤンキーに絡まれたり。
あげればキリがないけど、2ヶ月か3ヶ月に1回あるかないかのトラブルがほぼ毎日って感じね。
一番よくあったことといえば「とびきり優しい」。この一言。
街を通った時にいろんな人、車にすれ違うけど、何人ものおばちゃんがあとで追いかけてきて、「がんばりや」と言ってアイスとかみかんとかジュースとかお金とかくれる。
普通しないよ?そんなこと
四国にはもともとお遍路さんに対して「お接待」という文化がある。
お参りできない自分の代わりにお供えとか協力とかをすることで功徳をわけてもらう、という考え方。
だから断っちゃいけない。
でも遠慮しちゃうくらいにみんなよくしてくれる。
最初はびっくりなんだけど、だんだん慣れるというより「泣ける」。
ついに到達!
88番札所に到着したのは家を出てから49日目。
距離でいうと約1400km。東京〜大阪往復でも足りないくらい。
体重増減▲13kg。(1日の消費カロリー約8000kcal)
杖も20cmくらい短くなった。

得たものはかなり多かったといまでも思う。
でも悟りを開くわけでもなく、人に自慢するほどのことでもないけど何か自分の中で変わった気がした。
そこからは就職に対しての意識が変わり、日々の暮らし、生きることについてしっかりと自分の意見を持てるようになったような「気がする」。
そんなこんなで、当時直前まで2年間やっていた家電量販店でのケータイ販売からのイメージでいまは通信キャリアで働いています。
人に優しくしよう。
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