自宅浪人のすすめ。

1月18日、19日は、センター試験だった。
推薦やAO入試で、もうとっくに受験は終わったという高3生はともかく、国公立大学を志望している受験生の多くにとって、この土日は大きな山場だったはずだ。
土日にセンター試験を受験した受験生の多くは、月曜日に自己採点し、今はその点数を元に、どの大学を志望するかうんうん悩んでいるところだと思う。
中には残念ながら取りたかった点数に届かず、受験校のランクを下げる人、または浪人の可能性を考える人も出てくるだろう。

ちなみに私は、現役の時は1つしか大学を受けず、そこに落ちたため浪人した。
その経験は決して無駄ではなかったと思う。でも、ひとつこれだけは声を大にしていいたい。
国立二次受験が終わる前に浪人を決めるな。

まずは、一通り、現役での受験を経験することは大事だと思う。
だって、来年、まったく同じ手順踏むでしょ?
同じことするんでしょ?
だったら今年まず一回経験しておいたほうが良くない?

「この点数じゃあ、ここは受かんないよなぁ……」ではなく、
「来年はこんな大学屁でもないくらいの点数取ってやるんだ…!(あわよくば今年受かりてぇよ)」ってくらいの気持ちで、とりあえず国立二次を受けよう。

それでも不合格、追加募集にも引っかからなかった場合、残る道は「浪人」。
多くの人が予備校に通うという選択をすると思いますが、ここでひとつ、「自宅浪人」を提案したい。
ちなみに、筆者は自宅浪人をした。
……と言うと、いろんな人に「え……!?」と驚愕されるが、たぶんほかの人が思うよりずっとハードルが低いと思うのだ。
そんな自宅浪人のメリットを挙げてみたいと思う。

とっても経済的。


まず、金が掛からない。
ただでさえ迷惑をかけてしまう親御さんへの負担をかなり減らせる。
・某K塾に入った場合。
入塾金 100,000円
授業料 650,000円(年間一括で)
(いろんなコースがあるけど、とりあえず国立文系コースでこのお値段。私大とか医学部コースはもっと高い。)
軽く大学1年分は吹っ飛ぶ。地方に住んでて、首都圏の予備校の寮に入ろうもんなら、この2倍は間違いなく飛ぶ。

・自宅の場合。
書籍代 20,000円(必要に応じて。)
模試の受験料 5,000円前後/回(これも自分が受ける分だけ。)

仮に、模試20回受けたとしても(そんなにないけど)単純計算して120,000円。
かなりリーズナブルだと思う。

すべてが自分で決められる。


スケジュール、方針、使う教材……その他もろもろ、すべてが自分次第で決められる。
これが一番大きなメリットだと思う。
高校卒業まで、始業時間、時間割、教科書もすべて決められてきた自分にとって、この自由は新鮮だった。あと、単純に受身の講義形式が苦手だったので(だって眠くなる……)、それなら自ら動かざるを得ない環境のほうがきっと勉強できると思ったのだ。
私は、数学がまず壊滅的に出来なかったので、かなり噛み砕いた内容の参考書を見つけて、基礎からもう一度叩き込んだ。
あと、英語の単語もかっすかすだったのでまずはひたすら単語の反復。
たまに実戦形式の問題を解いて、その結果を元に弱点補強、模試があったら積極的に受けて、その結果でまた補強、というパターンを繰り返していた。
どうやって補強するか、というのは相談できる相手にしたほうがいい。
現役時代の担任なんかは、わりと力になってくれるんじゃないかな。

雑音に惑わされない。


「周りに流されるタイプ」の人は、予備校はやめたほうがいい。
入った予備校の雰囲気が良かったらそれはプラスになるけれど、もしアレだったら……言わずもがなである。
ちなみに自分はわりと天邪鬼なタイプで、周りがこつこつやってるとやる気をなくすというどうしようもない質だ。
逆に一人で放っておかれるほうがいろいろ集中できるので、こういう人も自宅浪人向きだと思う。

気をつけたいこと。


ここまでメリットを書いてみたけど、じゃあ逆に苦労することってなに?と聞かれると、まずは生活リズムを崩しやすいということ。
だって、時間通りに行くべき場所がないのだから……と思って自分を許してしまうと、結構とんでもないことになる。たとえどんなに夜に勉強が捗るとしても、実際に受験本番で頭をフル稼働させるのは昼間なのだ。
夜は何時に寝たとしても、朝起きる時間は絶対にずらしちゃいけない。これ鉄則。

あと、外界との遮断が起きやすい。
家にこもって勉強を続けていると、家族以外の人間とのコミュニケーションが皆無になる。別に勉強しているときはそれで良いけど、たまに家族以外の人と言葉を交わそうとすると吃ったり、家の外に長時間いるとめまいがしたり……嘘みたいな話だけど、これ、ほんと。私が経験した話だ。
というわけで、定期的に「家族以外の人」ときちんと声で会話する機会を持とう。勉強の気分転換にも、自分の中の最低限の社会性を保つためにも。必ず。

最後に。

そりゃあまあ、行きたい大学にストレートで行けることが一番良いに決まってるけど、きっとそんな進路を歩める人って、本当にわずかだと思う。
それなら、もう1年頑張ってあがいてみるのも、立派な選択なのではないだろうか。
たとえ一浪した結果がどうであろうと、浪人は決して無駄な経験にはならないと思う。
……正確には、そのあとの大学生活の過ごし方次第で、「有意義な経験」だと言えるようになるものだと、私は思う。
まずは3月まで戦い抜いて、それでもダメだったら……すこし考えてみよう。
1年後の自分はどうなっていたい?
そのために、今日から1年、どんなふうに過ごすべき?
……自分の力で夢に近づくための選択肢のひとつに、上記も踏まえてぜひ自宅浪人も検討してみてほしい。





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