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人生で必要なことは全て旅先で学んだ。 人はなぜ祈るのか?

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祈り

昔ミャンマーを旅していた時の話。

首都ヤンゴンの中心にある寺、スーレ―パゴタに行った時、本当に沢山の人々がお参りに来ていた。

寺に入るには裸足になる必要があり、皆ぺたぺたと日差しで温まってる石畳を歩いていた。

本当にたくさんの老若男女が散歩がてらふらっとやってきては真摯にお祈りを捧げてる。

お祈りの仕方はきちんと正座して手を合わせ、床に額を付けまた祈る。

何回やるかとか人それぞれだし、立ったままお祈りしてる人も沢山いる。

一箇所でなく至るところに仏像があるので、各々が気が向く仏像の前でお祈りしては、また散歩して行く。

暑かったら日陰で休みながらお弁当を食べて、またお祈りして帰っていく。

カップルや親子で来てる人達も多い。

皆の祈る様子はとっても自然体で美しい姿だった。

日本語を勉強してると言う割に全く日本語が話せないその寺の坊さんに質問してみた。

「なぜ人々はこんなにも一所懸命祈るの?」


坊さんはわかってんのか怪しい感じで「わっはっは」と笑いながら日本語を勉強してるノ―トを開いてある言葉を指差した。

「ミズ ヲ ノム」


何か衝撃が走った。


「ミズ ヲ ノム ・・・生きるため?・・・」

そうつぶやくと坊さんはまた「わっはっは」と笑いながら大きく頷き、肩を叩いて去っていった。

人は生きるために祈るのか??

旅の間ずっとこのことを考えていた。


その後ミャンマーの聖地の一つポッパ山に、現地で友だちになったおばちゃんと娘と一緒に行った時も、2人は参道の至るところに置いてある仏像に休憩がてら立ち寄っては頻繁にお祈りをしていた。

毎回きちんと正座し、手を合わせ、額を床に付けること3回。

それを繰り返していた。


別に全部の仏像にではないし、2人のどっちかが祈ったり、祈らなかったりと本当に気が向いたらふらっとお祈りして行くという感じだ。



「人はなぜ祈るか」なんて考えてもわからない。

だから俺も途中から2人と一緒に正座し、手を合わせ額を床に付けてみた。


ここまでの旅の無事を感謝し、日本にいる仲間の健康と幸せを祈った。

そしたら、一日の中で感謝する時間と機会が増えた。


「今日ここまで無事にこれました、ありがとうございます」

「今日さらにここまで怪我も事故もなく無事これました、ありがとうございます」

「今日一日無事に終わりました、ありがとうございます」

また、日本の仲間達と離れてる気がしなくなった。

「皆が元気でありますように」

「皆が無事で元気に笑顔で過ごしてますように」

「元気に再会できますように」

「祈り」について考えたのはこれが初めてだった。

けど、今まで意識することがなかった大事なことをいつも心の中心に置いてる感じがした。

感謝の気持ちと人との繋がり。

人は身体を生かす為に水を飲む。

人は心を活かす為に祈る。

あたかも ミズ ヲ ノム が如く。

あの坊さんはそう教えたかったのかも知れない。

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人生で必要なことは全て旅先から学んだ。 お金
生保を受ける母子家庭のど貧乏生活→奨学金のみで高校・専門学校卒業→精神科看護師4年半→24で母を看取り天涯孤独→住所不定無職の旅人→住所不定無職のまま結婚→そのまま旅人続行計2年50カ国→日本で一番忙しい病院の看護師しながら大学・大学院修了

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深浦 希峰

そうですね...その通りだと思います.
機会があればぜひボリビアにもお越し下さい(^_^)

Takeshi Hamanaka

人は無心で何かに祈る気持ちや、自然(神道においては神そのもの)や目に見えない存在を恐れ敬う気持ちを、持ち続けるべきだと思います。そういう気持ちを忘れた人間は金に目がくらみ拝金主義者になったり、法律に触れなければ何をしても良いのだと、裏で悪事を重ねたりします。”お天道様は見ている。”そういう感覚を忘れないようにしたいものです。

Takai Rei

hamanaka様

コメント心から感謝いたします。
祈りを大切にする国の日常の穏やかさは本当に感慨深いものがありました。
感謝の心と人とのつながり、生きる上で必要なものは結構シンプルだといつも感じます。

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