【15歳】はじまりはじまり

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前編: ダメ男とのダメ恋愛にハマるダメ女の話~プロローグ~
後編: 【16歳】忘れたくない人 その1

15歳の秋

女であることのはじまり


くだらない毎日。私はこんなところにいたいわけじゃない。

その頃はいつも、そんなことを思っていました。

教室の中だけの狭い人間関係が嫌で、同級生と距離を置くことで、少し孤立した自分を楽しんでいました。私は他と違う特別な何かでいたかったのでしょう。
当時は中高生にPHSが普及し始めた頃でした。
私も既にPHSは持っていて、あるボイスチャットに時間を費やしていました。

LINEのシステムのボイス版のようなものでした。
チャットに回線をつなぐと、同じルーム内の全員の声が聞けて、複数人で通話ができるというものです。


声だけしか分からないし、各々ハンドルネームというか、チャットネームというか本名とは違う名前を名乗り合う場です。

年齢も性別も住む場所もバラバラでしたが、皆に共通していたのは非現実的な世界が好きだということでしょう。
年齢や性格など、偽ろうと思えば、どんな風にでも語れます。音声だけの世界ですから。そんな世界に入り浸っているのは、どこか非現実的な世界に逃げたがっている人間でしょうから。
もちろん私も。
家に帰るとすぐにチャットに回線を繋ぎ、普段からよく話をしている人がいないかチェックしていました。
長い時は1日5~6時間はボイスチャットに繋いだまま、お風呂に入る時ですら手放せないくらいの中毒状態でした。
チャットに電話をすれば24時間いつでも誰かがそこにいて話ができる。そんな手軽な人間関係に私は夢中でした。
今でも名前がスラスラでてくる人が30人くらいいますから、当時の私がいかにチャット内の世界に傾倒していたかわかります。
毎日、毎日、そのチャットの人達と何時間も話をしているので、だんだん親密になっていきます。

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