朝、目が覚めると密室でした。

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次話: 朝、目が覚めると密室でした。 後編
ななななんてこった!
齢21になったけれどもこんな試練は初である。
まだまだ若いからだろうか
年を重ねて経験をつめばどんな困難にも
焦ることなどないのだろうか
ドアノブの一つや二つ回らなくても
鼻でふふんと笑ってしまえるのだろうか
そう思って鼻でふふんと笑おうとしたが
衝撃的すぎて鼻がひきつってしまう
ああ。私は未熟者だ。
とりあえず仕事に行かないとまずいので
なんどもなんどもドアノブをまわしまくる。
ひらけ!
ひらけ!
ひらけ!
いいやこれじゃ駄目だ。
と、いったん手をとめる
何事も焦りは禁物だと昔からいうではないか
まえに読んだ吉川◯治の三国志の
スーパースター諸葛亮孔明だって
常に冷静を保っていた
何のために常日頃読書しているのだ
本から得た知識はいかさねばならんぞと
自分を叱咤した。
お願いします開いてくださいドアノブさん
と祈ってドアノブをまわしたが
ドアノブさんは心を開かず扉も開かず
そしてまた自分の過ちに気づく
そうだ何かを頼むときや願うときには
心から切に願わなければならないし
感謝の心を持たなければならないんだ
まずは目前のトラブルに対するイライラや
仕事に早く行かなければならない不安
様々な煩悩を体から削ぎ落としていく
トルコのケバブのように
何も考えず、無になる。
何も考えないとか無になるのは意外と得意である
しばらくすると
フッと体が心なしか軽くなった感じがする
ケバブが削ぎ落とされたのだ。
よしこれでいい。
そして感謝の気持ちを持つこと。
自らの命があること。
そして今までに関わったすべての人
両親、家族、友人、恋人。
会社の仲間からコンビニの店員まで。
今まで食べてきたたべもの
動物、魚、野菜。
そして身の回りのすべてのもの
家具、家電、ドアノブ。

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