秘密の扉 07

次話: 秘密の扉 06

と言った、瞬間、目が覚めた。

ふっと窓を見ればあいにくの雨、凉子は嫌だわ、今日は彼とデートなのに、気持ち切り替えて、自分の身体に「おはよう、今日もよろしく」と言い、。起き上がった。


母さんとの会話


 凉子は朝の身支度を調え、一階に下りた、母さんに、おはようと言い、ふと口から「母さん、人生って?」あれ、私は何を言っているのだろうかと思った。

「凉子はどう思っているの?」と切り返され

凉子はしばらく考えてから                                「そうねぇ 私は人生は舞台装置だと思うわ、いい芝居も、悪い芝居も、様々な体験ができるのがこの人生という舞台だと思うわ」

「その台本って誰が書いていると思うの?」

凉子はしばらく考えてから「それは、私自身書いているんじゃあないかしら」

「そう、それじゃあ、あなたが今まで、楽しいことや、嫌なことを経験しているでしょう?」

「はい」

「それでねぇ、そのすべての経験は、あなたが、前もって台本を書いた結果として経験していると言うことになるんだけど、楽しいことはとにかく、嫌いなことまで、あなたの台本に書き込むの?」

「ん~それはむつかしいわねぇ、私自身が台本を書いているとすれば、私の望んでいない台本は書かないでしょう・・・・これはどういうことかしら、でもこれだけは言えるわ              どんな私にとって嫌な経験であったとしても、その経験はやがて、私の血となり、肉となり、無意味なことはないはずだわ。」

「それは、物事の捉え方と言うこと?」

「そうよ、起こってしまったことは取り返しようがないけど、それを私自身にとってプラスとして捉え、次のステップアップとするか、いつまでも気にして、落ち込むかどちらかだわ」

「そう、私は今あなたの考え方にものすごく感動しているの、私から説明することはないわねぇ~すでにあなたは私を越え、どんな状況でも生きていける考えを身につけたのだから、あなたを生んで良かったと思うわ」

「母さんにそう言ってもらえると、とても嬉しい、私も驚いているの、ふと思い浮かぶ言葉を口にしたら、なんだかすっきりとしちゃって、次に進めそうだわ、母さん聞いてくれてありがとう」

「いいえ、私の方こそありがとう」

「じゃあ彼に会ってくる」

「がんばって」

「は~い」

凉子は待ち合わせの駅に向かう途中、桜並木を見上げた。今日の雨でほとんど散ってしまい残念、昨日の帰りの時、桜吹雪は偶然だったのだろうか、いゃ~偶然にしては、絶妙のタイミングで起こったのかしら、それにしても、凉子はそのことを感慨深く浸っていた。            

    脳裏に母との会話が浮かび、私ったら、何であんな質問をしたのかしらと思ったら、吹き出しそうになった。

秘密の扉 08に続く

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秘密の扉 06

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