
【パチンコはギャンブルではない、労働だ】
川田君に7万円を叩き返した僕だったが、逆にまた川田君に叩き返されてしまった。
川田「何か裏があると思ってるんでしょ?」
僕「うん。」
川田「バレたか(笑)」
僕「やっぱり・・・」
やはり裏があったのだ。そもそも美味しい話には裏があると相場で決まっている。
人が急に優しい事をしてくれた時は、大抵何かあるもんだ。
すると、川田君が続けた。
川田「裏があるって言っても、そんな大層なものじゃないよ。三田君って今働いてないんでしょ?」
僕「そうだけど・・・」
川田「そしたら俺の弟子になってくれない?」
僕「弟子?なんの?」
川田「もう気づいたと思うけど、俺はパチプロなんだよ。パチスロで生計立ててるんだよ。」
僕「マジ?すごすぎない?パチプロって本当にいたんだ(驚き)」
川田「開店前に並ぶ時とか、良い台がなくて待ってる時とか一人だと退屈でさ、話し相手が欲しいんだよ。だから俺がスロット教えてあげるから、その代わりに俺の話相手になってくんない?色々連れ回すけど、結構儲かるよ?良い小遣い稼ぎになるんじゃない?」
僕は少し迷った。僕の周りの知り合いにはパチンコで人生を失敗した人がたくさんいるからだ。川田君がすごいのは実際に目で見て分かったのだが、やっぱりまだパチンコには少し抵抗がある。
パチンコやスロットばかりしている人って、世間的にみてもあまり良いイメージがないし、まして僕の両親はその辺りにはかなり厳しい人だ。許してくれるはずない。
だから僕はこの話は断ろうと思った。
すると川田君が、僕の気持ちを悟ったかのようにこう提案してきた。
川田「パチンコとかってやっぱりイメージ悪いからね。毎日やるのってやっぱり抵抗あるよね?でもそれはみんなパチンコの事をギャンブルとして考えてるからじゃない?俺はパチンコの事はギャンブルと思った事はないよ。むしろ労働だと思ってる。例えば、会社員が毎日会社に行くでしょ?それと同じだよ。俺は毎日パチンコ店に行く。そして、利益が目標額に達したらそれでその日は終了。目標額に達しなかったら残業をして出るまで打つ。出なければ次の日、前日の目標分も達成しなければならない。つまり目標額が二倍になるということ。一ヶ月、自分の定めた目標額に達しなかったら、パチンコは引退。俺は工場で働く。クリア出来たら、また次の月も頑張る。俺はこうして5年間生きてきたんだよ。だから、三田君もパチンコやスロットをギャンブルと思わず、労働と思えばいい。そしたら、毎日朝早くからパチンコ店に並ばないといけないから、必然的に早くおきないといけない。その為には夜は夜更かしも出来ないから、規則正しい生活になる。会社勤めと変わんないだろ?最初のうちは、両親には『知り合いのお店でアルバイトを始めた』とでも言っておけばいい。収入が安定してきたら、家にいくらか入れてあげればいいだろ?簡単なことだよ!」
川田君は、すごい人だ。
僕はこの時から川田君のことを尊敬するようになった。
ただのパチスロ好きではなく、色々考えて行動してるんだ。
スロットしてる人でもクズじゃない人はいるんだ。
そう思ったら、少し胸が軽くなった。
そして、僕は川田君の弟子になった。
<追伸>
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