マニラ航空のトイレの女神様は容赦ない。後編
前回のあらすじ。
マニラ航空の美人添乗員さんの最高のスマイルと
美味しい珈琲とクラシックを聴きながら煙草を吸う私に
トイレの女神様が優しくほほえんでいました。
ピーピーピーピーピーピー
突然!機内にけたたましい警報がなりだしたのである。
何だ何だ何事だ!?テロリストか!?
と思いきや、頭上の煙探知機から音が鳴っていたのには絶望した。
まんまとやられたのである。警報音がトイレの女神様の笑い声に聴こえてくる。
どうやら私がテロリストだと言いたいらしい。
このときのことを振り返ると、一瞬の出来事なのに
まるでスローモーションになったように感じていたのを覚えている。
走馬灯みたいなのがみえていた気がする。
ドンッドンッドンッドンッドンっ!!!!!!
トイレの扉の向こうから容赦なく誰かが扉をノック、いや、殴っている。
正面には殴られている扉。
後方には便座。
背水の陣とはこういうのを言うのだろう。
どうしようもないので扉を開けると
屈強なフィリピン人が現れた。
衝撃的である。
スーツ姿のフィリピン人二人に両脇を抱えられ、機内から外へ。
「%&%&*+*!!!!!」
早口なタガログ語で怒鳴られても全く分からず、戸惑う。
顔の血の上り方が半端ないので、逆にそれが心配になるくらいだが、
そんなの絶対言えないし、タガログ語喋れない。
なによりこの人たちの殺意のオーラが半端ないのである。
外人さんがマジギレしているのは本当に怖い。
泣きべそ状態である。
こ、こ、殺されるぅ〜!!
心底思った。もしかしたらこの機内では日本の法律が適用されないのかと。
そんな命の危険を感じた時、
しばらくすると日本人スタッフさんがやっと来てくれた!これで救われた。
そこでスタッフの人が私に言った。
「飛行機は禁煙です。」
っと心の中でさけんでみた。が、きっと通じてはくれないだろう。
あぁ。どうなってしまうのだろう私のフィリピン旅行は。
このときばかりは本気で行きたくなくなった。
そんな絶望的な恐怖と不安と一緒に、飛行機は日本を飛び立った。
窓から見える日本の景色が涙で滲んだ。
読んでいただいてありがとうございます。このフィリピン旅行については
アメブロの 世界ウルルン的なinフィリピン にて書いています。ぜひ!
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