【17歳】壊れる

1 / 2 ページ

前編: 【16歳】忘れたくない人 その2

16歳の夏


私は壊れていた。


大切な人の存在を失うと、同時に自分自身の一部を失う。

欠落したものを、どう埋めていくかなんて、私にはわからなかった。


タカフミと過ごした時間も、タカフミのいない時間も、同じ速度で過ぎているはずなのに、タカフミのいない時間のそれは、恐ろしく遅く感じられた。

うまく眠れない夜が続いて、うまく笑えない日が続いて、その中で繰り返し繰り返しタカフミを思い出していた。


笑顔・仕草・手・指・声


それらを全て鮮明に思い出せるのに、実体がそこにはない。





忘れなきゃいけない。

忘れられないから苦しい。

一瞬でもいいから、タカフミを思い出さない時間がほしい。


そう願えば願うほどタカフミの存在は私の中で膨らんでしまった。




一人で眠ることができなくなっていた。

タカフミと眠っていた時のように、男の人に背中を抱いてもらわないと眠れなかった。






みんなの読んで良かった!