とあるゲーム業界のブラック会社で夢の代償に僕が失った物。(終章)
とあるブラック会社に入社して三か月が経ち、絶望的状況ながらも仕事に慣れて来た頃です。
自分の会社は協力会社と言う名目で、版権を貸して貰い、製作に仕事に携わる事が多かったです。
【お客さんから版権を借りる】
↕
【ゲームを作る(自分の会社)】
↕
【市場に流してくれる会社に委託する(バグ修正や市場提供)】
このような板挟みの構造になっている状況でした。
徹夜明けでタバコを吸っていると、
20人にも満たない会社の営業の坪さん♂が声を掛けてくれました。
(やっとJAVAがお茶ではないと理解した頃)
頑張ってるし奢ってあげるよ!
あ、、、あざまっす!!!
ロイヤルホストで、高いご飯(1500円)も奢ってもらい喜んでいました。
は、はい僕で良ければ頑張ります。
当時、アホな僕は実力が認められ、出向=花形だと思っていました。
(実際は派遣て営業利益を取るためだけの駒ですよね^^;)
こうして、なぜか親会社ではなく下請けの会社に行く事になり、
出向日は1月1日、元旦からめでたくない、僕の新しい仕事が始まったのでした。
出向先で見知らぬ会社の方と即席チームを組んで、1年間の製作に携わる事に。
タイトルは言えませんがプレイステーションのソフト等で有名な会社です。
こちらが出向先の現場構成と言うか、呼びあっていたあだ名です
◆リーダー:班長(♂32)
理由:見た目は、イケメンなのに反して中身がカイジの班長。
◆グラフィック:ケロロ軍曹さん(♂28)
理由:蛙顔のいい人
◆シナリオ:どーも君(♂27)
理由:体毛が濃い
◆広報担当:セイラさん(♀21)
理由:某コスプレイヤーとだけ
◆プログラマー:僕=もやし(♂22)
理由:常に金欠、主食がもやしでガリガリ、176/52キロ
こんな感じのチームにいきなり1月初頭ほっぽり出され、
なぜか出向先の社員扱いで入っていました。
どうみても、偽装請負派遣(泣)
私の場合、6次請けまで流れていて、何社中間に入っているかわかんなかったです。
すぐにオリエンテーションが始まり説明が始まりました。
数年前となりますが、印象に残っているほろ苦い?思い出を書きたいと思います。。
班長編(いきなり徹夜の初日)
さくっとこのチームで挽回しちゃおうね~
余計な事聞いた馬鹿はこいつですか…
今後発言するなよ小僧?
(え?と、感じる違和感)
一日目にして、僕の参加しているプロジェクトに遅れが判明、
今まで何をやってきたんだ状態のままデスマーチに放り込まれ、驚きを隠せないまま現場の仕事が始まりました。
ちなみに班長、ゲーム会社に派遣で来たらしいのですが、
今までゲームは触ったことがないそうです。デバッグをしながら突然僕に大声で叫び始めました。
怒られたので、直ぐに確認すると、
ぴょーん、きれいにキャラクター着地
どうみても説明書通りの動き。。。
初日でなるべく、リーダーと会話しない事に決めました。
どーも君編(徹夜のまま2日目)
どーも君と僕がコンビで仕事をするようリーダーに指示されました。
どーも君がシナリオを書いて、僕がプログラムで動かします。
ゲームの開発を始めましたが、とあるシーンで違和感。
ヒロインが泣いて主人公追いかけるシーンで、吹き出しパーツが「あはっはははー」…
綺麗な桜の木の下で、危ない奴になるヒロイン
もやし「どーも君さん!ここのシナリオの雰囲気おかしくないっすかね?」
もやし「ちょっと、菓子パンを食ったまま寝てたら死にますって(ユサユサ)」
さすがに徹夜2日目の夜は限界ですね、そのまま毛布を掛けて僕は帰宅しました。
しかし翌日出社してみると不思議とシナリオが仕上がってしました。
いつ仕事したんだろう。ありがとうドーモ君…
どーも君編(徹夜のまま3日目)
帰宅する退路は断たれ、もはや時間がないので、会社のタコ部屋=仮眠室から出社、
朝からカップラーメンすすりながら仕事をするのにも慣れてきました。
いつも汚いごちゃごちゃしたゲーム開発の現場で、一つだけ綺麗に片づけられた机がありました。
社内の人が色々話していたので聞いてたところ
ド ー モ 君 が 行 方 不 明
そしてドーモ君の引き出しを開けると皆に衝撃が走りました。
「田舎へ帰ります。お疲れ様ッス byどーもっス」(爽やかな字体で)
徹夜3日で限界だったようです。リーダーは鬼の形相になってました、
1年遅れが、すでに3日目にして取り戻せなそうです。
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