とあるゲーム業界のブラック会社で夢の代償に僕が失った物。第3夜
こうして、初日から徹夜で仕事をし、実際自宅へ帰ったのは一か月後…
季節は変わり始めようとしていたが、若さ故の過ちなのかまだやる気は保ったままでした。
一か月の研修と言う名の、過酷な労働のシーンは今でもよく思い出します。
まず初日のバグ修正の仕事ですが、
初日、21時にてのシーン
リーダー「おう中条、そっちのPCにJAVAをインストールしといてくれ」
僕「はい!解りました!」
…10分後、僕はコンビニから戻りとある飲料をリーダーに渡した
リーダー「おう、気がきくな」
僕「いえいえ^^ところで次は何をしたらいいですか?」
リーダー「まさかこいつ…(リーダー絶句」
僕「?」
リーダー「馬鹿野郎!!!今はそれどころじゃねぇ!!!」
僕、JAVAが解らず、普通にJAVAティーと間違えました(泣
※JAVA=プログラミング言語でソフトを作成する時などに使います。無論お茶じゃありません
専門学校でC言語を三か月程度の新卒には意味が解りませんでした。
リーダーに怒られ、教育係の先輩が2人ついて一緒にやることになりました。
なべさんと、兄貴さんです。
きっちり教えて貰い、毛布で寝て満喫か銭湯で風呂に入り翌日また出社。
先輩達と一緒に仕事をする内に、なんとかバグ修正などは出来るようになりました。
当時、一本ゲームがヒットすれば結構なお金になると聞いていたので、売れたらきっとこの会社で働いてる人達は幸せになれる、僕もきっとお金持ちになれる、その気持ちで折れずに頑張りました。
しかし一か月ですでに総出勤時間は400時間を超え、給料は15万程度、食費や、お風呂を含めるとマイナスになっていました。
このまま暮らせなくなると困るので、教育係りのナベさんに相談しました。
ちなみになべさんはプロレスが大好きな35歳の方でした。
なべさん「お疲れパワーボム!中条君どうしたの?」
僕「正直、学生時代と比べて今の環境がきついムーンサルトなんです…」
なべさん「まだゲーム会社で働きたい?」
僕「分かりません…でもゲーム製作は続けようと思ってます」
なべさん「そっかそっか、それなら大丈夫、一年やれば失業保険も、身体を壊した時の保険もできる」
僕「え?そんな制度が?」
なべさん「すぐにやめてしまってもいい、でも一年、一年だけ頑張ればまた次が見つかるから。今は辛くてもやめない方がいい」
僕「解りました、もう少しだけやってみようと思います」
なべさん「辛い時は、長州が一人で藤波に戦いに行ったときの気持ちを考えて~うんちくうんちく」
正直、内心は「お疲れパワーボム」ってなんだよ、とは思ってましたが、暗い顔をした僕に気を使ってくれたのかもしれません。
しかし、新日本プロレスより総合格闘技の方が好きなので、長州さんのくだりはまったく意味が解りませんでした。
ちなみに入社1か月後の状況ですが、新卒で入った20人の内で、残ったのは自分を含めてわずか5人です。
この時点で僕は、少しの違和感を感じつつ仕事を続ける選択肢を選びました。
しかし入社して三か月後、仕事にも慣れて来た頃に大事件は起こりました
…to be continued
とあるゲーム業界のブラック会社で夢の代償に僕が失った物。(終章)へ続く
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