アホの力 序章 1-1

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後編: アホの力 1-2.あの日

何か行動を起こす時、必要なモノって何だろうか?


私は今、福島県は南相馬市で、一般社団法人『みんな未来センター』(通称『みみセン』)の代表理事をしている。みみセンは南相馬を、新しくてオモロい街に作り替えてしまおうと、2012年に立ち上げた団体だ。ご存じの通り南相馬は、東日本大震災の被災地であり、福島第一原発の放射能漏れ事故の被害を受けた街である。そんな場所で、人や街を盛り上げ、元気にする事をコンセプトに活動している。

もう少し具体的に言うと、子どもの遊び場の運営事務局としての活動や、街を盛り上げるプロジェクトの立ち上げ・運営活動、支援活動の舞台を南相馬に求め、市外から訪れた方に対する窓口としての活動などを行っている。オモロい事には何でもいっちょかみするような姿勢で、日々南相馬を賑やかしている団体がみみセンなのだ。




でも私は、元々市民活動に明るかった訳ではない。明るいどころか、そうした団体を作り、維持していった経験は全く無い。震災前は、どこにでもいる単なるアラフォーのおっさんだった。埼玉県でトラックドライバーをしながら、寂し…いや、気ままな独身生活を送っていた。




それが何故、全く縁も所縁も無い南相馬で、市民団体を立ち上げる事になったのか。

理由は簡単!『やりたかったから』『やる必要があったから』『オモロそうだったから』だ。

ま、それだけの理由で団体を立ち上げ、それで飯を食おうと考える人間も少なかろうが、そこはそれ、私なりの勝算もあった。

その勝算ってのが、冒頭の問いの答えでもある。


『アホ力(あほぢから)』だ。


アホ力とは、言うなれば…

『感性を鋭敏に磨き上げて鈍感になる』事。


ある物事が、何故、誰が、いつ、どの位必要なのかを突き詰めて考え、そうして考えて見出した必要性以外のマイナス部分は無視して、一気に物事を進めてしまう、そんな時に働く力。もっと簡単な言葉で言うと『猪突猛進』『余計な事は考えない』。


これが『アホ力』だ。


ところが、ちょっとみんな想像して欲しい。みんなはこうしたアホ力に対して、何と無く憧れを抱きつつ、一方で嫌悪感も抱いているという、相反する感覚を持ち合わせちゃいないかな?

さもありなん、大抵の人は、周りの人のアホな行いに振り回され、迷惑を被った経験があるからだ。

何でそんな事が起こるのか、逆にみんなを幸せにするアホ力はどう発揮するのか、これから私の、ここ二年間、それこそ南相馬を訪れる直前から、様々な活動を経てみみセンを立ち上げ、今に至るまでの経験でぶちかましたアホっぷりを披露しながら、順繰りに説き明かしていきたい。


もちろん、アホについて語るのだから、これっぽっちも難しい内容は無い。


中身をご覧頂いた皆さんが、今日からすぐに『アホ力』を発揮するようになられたら、私もアホ冥利に尽きるというモンだ。


1-1.『戸田光司』というおっさん


戸田光司…私の名前だ。

1971年5月18日生まれ、もうじき43歳。やっと厄が開ける。


昨年『厄年の洗礼』を受けた。2013年の元日、埼玉の実家に帰省中に脳梗塞でひっくり返り、入院したのだ。常日頃から煙草をこよなく愛し、不摂生を心の友とし、睡眠不足と運動不足を自慢し続けてきた結果がこれだ。


だって…私の暮らす南相馬は、食い物も美味けりゃ水も都会とは比べ物にならないくらいに美味いし、酒も東北の酒は絶品だし…そりゃ不摂生にもなるだろっての(笑)。


そうは言っても入院は、実は千載一遇のチャンスだった!入院してる間、自由に使える時間が山ほど出来た!最高だ!ここんトコやる事が満載で、読書の時間すら取れてなかったし。

みんなの読んで良かった!