お客様からの監禁をきっかけに起業することに。


私はこれまで、人材採用 コンサルタン卜、キャリアコンサルタン卜として、 1000社以上のべ 3000名の経営幹部の方々から相談を受け 、 7000名を超えるビジネスパーソンの方とキャリア面談をしてまいりました。

前職のときでした。ある企業に転職した方が、急に会社に来なくなってしまい、その社長が激怒したことです。

ものすごい剣幕で「お前の会社の社長を出せ !」とまくしたてるその社長の対応を、私が担当しました。

話によれば、その会社では創業者が亡くなり、急遽エリー卜ビジネ スマンだった息子が跡継ぎになった。その息子が社長になって最初に 手がけた仕事が人材採用だった。ところが、そこで採用した人が出社しなくなって、 自分の初仕事に泥を塗られた。

これでは自分の信用が 大きく傷つくし、他の役員たちに顔向けができない。責任を取れ、 ということでした。 転職した方は、その会社が求める条件に合致していたのですが、どうしても相性が合わず、結果、会社に来なくなってしまったのです。


これはあくまでも例外的に不幸な事例ですが、私には強く印象に残 りました。後ほど述べますが、人材エ ージェン卜会社は大手になると、法人営業担当と個人担当で完全に分業するようになります。

その結果、効率は上がり、転職者の経歴と求人企業が求める条件と を機械的にマッチングする仕組みが成り立ちます。このシステムは転職者・求人企業・人材エージェン卜会社の三者にとってメリッ卜の大 きいものだといえます。


とはいえ、これだと法人営業担当は自分のクライアン卜である会社 にどんな転職者が応募してくるのか本質的にわかりません。学歴や経歴、人材エージ工ン卜会社からの推薦状など、書面で提示されることはわかるのですが、その人がどういう性格で、どういう価値観を持っているのかまで、深くつかめないのが実情です。 逆もまたしかりです。


個人担当のエージェン卜は、応募先企業の資本金や売上高、業務内容や求人案件の内容はわかります。しかし、社 長がどんな性格の持ち主で、どういう価値観を持つ人とうまくやれる かまで、しっかり把握できていません。

この両面が不幸な形で衝突してしまったのが、先ほどの事例です。


この事例を通じて私は、法人営業で経営者や人事担当者から経営課 題を聞き、 一方では転職希望者に話を聞いてキャリア形成のお手伝い をするような、この両者をアナ ログ的にマッチングする方法に魅力を感じるようになりました。

お互いの人間性も含めて、経営者にとっては業績の向上、転職者にとってはスキルアップやキャリアアップという目的に適合するような人材紹介をしたい、と考えるようになったのです。 とはいえ、念のために補足しますが、大手の分業体制とこのワンストップ体制のどちらが優れているというものではありません。

前職は今でも大好きな会社ですし、心から応援しています。 たんにスタイル に違いがある、ということにすぎません。最近、企業経営者の方々にお会いすると、 「自社にあった優秀な人材をなにがなんでも獲得し、さらなる発展をしていきたい!」とよく おっしゃっています。

そして転職者自身も、自己実現のために、お客様のために、仲間の ために、家族のためにより良い仕事をしていきたいという決意で活動を行っています。


とはいえ、実際に転職活動をするというのは、多くの人にとって難 しいものではないでしょうか。ネッ 卜で検索してみると、大量の情報に困惑するしかありません。転職情報サ ー ビスについても人材 エー ジ ェントについても、自分では処理しきれないほどの情報量があります。

割ける時間も無限ではありません。その中でどれを選択し 、自分の最適解を見つけるのか。これは転職を希望する大多数の方にとって悩ましい限りです。


仕事は誰にとってもとても大切なものです。その大切な仕事をどう したら見つけられるのか。情報過多の この時代にこそ、この問題を解決することが大事だと考えています。

一人一人が本気を出して 一歩ずつ踏み出していけば、世の中はさらに良いものになっていくと感じております。

ちなみに、先ほどの激怒された社長は、後に私が前職を退職して独 立するこ とを決めたとき、 1本の電話をくださいました。「独立するんだってな、頑張って!」。その言葉が、今でも励みになっております。


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