大嫌いだった父が亡くなった日 第2回

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前編: 大嫌いだった父が亡くなった日 第1回
後編: 大嫌いだった父が亡くなった日 第3回

父を家に連れて帰る


検死が終わった後、遺体を引き取りに行かなければならないかった。

母は家が狭くお棺の出し入れが難しいから家に連れて帰れないのではないかと心配していた。


私は葬儀社の人がどんな家でも家族の希望に応えてくれることを知っていた。

大急ぎで問い合わせたら、やはり努力すると言って下さる。

母と葬儀社の人たちとで、警察へ父を迎えに行った。

糊のきいた新品の浴衣を着せてもらっていた。


葬儀社の人はふたりがかりで父を抱えて家に運んで下さった。


私はどうしても父を家に連れて帰ってやりたかった。

お通夜までの時間を自宅でない場所で過ごさせることだけは どうしても嫌だった。



葬儀社の人とお通夜お葬式の相談をする。


父が入るお棺 お棺の中の布団 霊柩車 祭壇の形式 花・・・ひとつひとつに

ランクがあって選んでゆく。最初は最後くらい良い物をと思って選ぶが、最終的に

何百万円という金額になる。それが妥当なのかそうでないのかすら分からない。

けれどお金はお通夜お葬式だけでなく必要になってくるから、削れるものは削ろうと

一旦決めたものを変えて良いか尋ねると、葬儀社の人の顔色が変わる。


結局こちらの希望通りにして下さったのだが、それでも大変な金額が動くのだ。



5歳違いの弟が川崎にいて、このバタバタの合間に留守電に連絡を入れておいた。

弟はこちらへ向かう車の中から電話をかけてきた。

話が話だけに信じられない様子でこちらの話を言葉少なに聞いていた。



葬儀社の人との打ち合わせや契約が終わり、母とふたりになった。






その時 インターフォンが鳴った。

モニターをのぞくと強風に飛ばされそうになりながら、いとこのお姉ちゃんが立っていた。

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