大阪梅田のクシカツ屋「松葉」の今昔話   こんなことがあった その8

今週初め大阪へ行った帰り、いつもように「松葉」に寄りました。4時の開店20分後に入ったら、女の1人客が4人ほどいて驚きました。テレビや新聞でよく紹介されるようになったので、立飲みクシカツのこの店にも単独の女性客が増えたようです。串の値段が消費税アップの理由で10円から20円に上がり、飲み物もやや値上げされていますが、味の方は24,5年前と変わっていません。私は冬は湯豆腐、夏は冷奴を最初にオーダーしますが、丸々一丁分の豆腐の出汁もしっかりおいしい味を維持しています。

 おばさんの店員たちは、二回目の大阪勤務が始まった昭和62年頃の人はさすがにこのところ、一挙にいなくなりました。それでも懐かしい顔が2人ほど残っています。

   ’02/11/04に書いたこの文章によると「松葉」は値下げしていた。

 ⇒ 会社の関西営業部門が、これまでの西宮市から大阪市の中央区本町へ移転することになり私もこれにくっついて行き、11月5日から大阪の堺筋本町センタービルで勤務することになりました。今日は引越作業で初めて新オフィスに出勤しました。

5年以上、ラッシュアワーの電車に乗らずに通勤していたいう恵まれた身でしたが、(広島時代は歩きと路面電車で会社まで20分、西宮は自宅からマイカー通勤で30分)明日からは30年間ほどやってきた、本来の満員の電車と地下鉄での通勤に戻ります。

 引越収納作業が終り、全員で事務所開きをした後、少し寒かったけど、堺筋から御堂筋の本町へ歩いて、そのまま梅田までずっと歩いてみました。休日ということもあって人通りも少なくゆっくり歩けました。2回に渉り、通算16年ほど勤務した淀屋橋までの間にある銀行は、全て看板が書き換えられ、なじみの伝統あるビルが取り壊され、オーナーが替わって新築になったり、スターバックスが数多く出店していたりこの5年の間でもかなりの変化があるようです

 梅田に着いて、少し喉が渇いたので、昔よく行った新梅田食堂街の「松葉」に行ってみました。東京から帰り新参で2度目の大阪勤務時代、(ソースの2度漬けお断り)の注意書きが、最初の大阪勤務時代と変わらず貼ってあるのが嬉しく、帰宅の途中よくこの店に寄ったものです。

 この店に入ると、当時、転勤ストレス?と、この串揚げに通う回数の相乗効果からか、半年でいっきに4キロほど体重が増えたことや、子供二人それぞれの転校不適応ストレスや他にもなんやかんや家の外も中も、色々あった年月を時々思い出します。

 店に入っていつものように「湯豆腐」を言うと、中国人の従業員が大きなシンクから一つ取り出し、手早く皿に載せてタレをかけて出してくれます。この店の定番で本当においしく冬季は半数以上の客が次々これをオーダーしています。

店員は昭和40年代からのオバチャンも数人いて、彼女たちと同じように歳を取っていく同年輩の自分が、仲間どうしのような気がする時があります。ビールを飲みだしたら、何となく今日はいつもと客筋が違うなと感じて、長い「く」の字のカウンターの両側をそれとなく見ると、若い女性の二人ずれが立ち飲みで片手にビールのジョッキ、片手にひっきりなしに無料のキャベツを取って交互にやっているのあり、若い男女二人連れが何組もいるし、一番驚いたのは50代後半の夫婦者が別々に3組も仲良く、串揚げで楽しそうにやっているなどいままでこの店で見かけたことのないお客さんがおりました。

 普段はネクタイあり、なし半々の男一人客がほとんどで、せいぜい二人連れまでの会社帰りが20分ほど飲んで食ってという店なので、別の店かと思うほどでした。

これは今日が休日ということの特性かも知れませんが、関西ウオーカーかなんかでこの店が紹介されて新しい客筋が来だしたのかもしれません。別途確認のため近々再訪の必要あり、またすぐ行ってみます。

もう一つ驚いたのは、確か前は一本100円のものが少なかったのに、どうも全品10円から20円値段を下げたようで100円の種類が増えていました。湯豆腐も350円が300円となっており、マクドナルドや吉野屋の値下げの波及かも知れません。 デフレの余録でもあります。

在店時間21分で瓶ビール一本、湯豆腐、玉葱、レンコンの串揚げ各2本を腹に納め、1200円を支払い、「まいど」の声に送られて暖簾の外に出ました。 

                           飲んで食ったとさ




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