片思いの思い出を綴る。 1話目

それは小学生6年生の頃だった

 彼女は周りに比べると少し背が高く、少し活発で、でも少女的な部分もあって、髪はセミロングくらいだったと思う。

 小さいころの思いでは、あまり覚えていない。様々な事があったことによると思っている。その記憶は蘇るのだろうか。と、たまに考えることがある。

 私はおしゃべりじゃなかったので、あまり話した記憶が無い。だけれども、彼女は私に優しくしてくれていた。もともと、優しい人だったという記憶もある。

 彼女が友人たちと楽しくおしゃべりする様子を遠くから、たまに見、そして、内なる想いを想っていた。もしかしたら、勘の良い人には見ぬかれていたかもしれない。

 とあるクラスの男子がその子を好きだという噂があったのだけれども、彼女はそれを嫌がっていたし、彼自身もそれを否定していた。彼女・彼らはからかわれていて、それを遠目で見ていた。

 とある、美術の時間の時に、私は絵を書いた。あまりいい作品だとは思っていなかったし、自分の楽しさのために作ったところが多い。

 彼女は私が描いた絵賞への推薦へ推してくれた。それがとても嬉しかった。だが、それはかなわなかった。また、「加藤って、ナイスだね!」といってくれることがあり、もしかしたら、想いに気づいていたのかもしれないし、両思いだったのかもしれない。今では確認するすべもない。

 同じ中学校へ進んだものの、クラスが多く、疎遠になってしまった。失恋、なのだと思う。これが初恋ではないけれど、今でも時々思い出してしまう。男は一つずつ思いでを貯めていくというが、そのとおりかもしれない。

 私は小学校や中学校の同窓会に呼ばれることはないので、それっきりである。


<了>

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