女子大生が世界一周を仕事にする話「【ラオス】ここで、働かせてください!」

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前話: 女子大生が世界一周を仕事にする話「【ベトナム】トラブルだらけの旅の始まり」





ラオスで働いてみよう!となったのも


「世界一周を仕事にする」


のうちのひとつです。旅をするのとそこに住んで働くのは違うから、実際に住んで働くのはどんな感じなのか体験してみたかったのです。わたしは旅をしながら仕事がしたいのか、海外で働きたいのか、日本と海外を行ったりきたりしたいのか、いったい将来どんな生き方をするんだろう。










■ルアンパバーンの贅沢ツアーは仕事に繋がる?


 さて、ラオスに到着して数日後、ルアンパバーンの観光にやってきた私は、そこでメコン川クルーズのツアーに参加することにしました。このツアーは、メコン川を優雅に船で移動しながら、途中にある村や洞窟へ行くツアーです。一人旅だった私は、同じツアーに参加する人で友達になれそうな人はいないかな?!と、わくわくしながら船に乗り込んだのですが…



前を見ても後ろを見ても、船の中にはわたしひとり。笑


 30人は乗れるであろう大きな船で、まさかのわたしひとりのために、ガイドさんウエイトレスさん船長さん船員さんが乗っているというコレ以上ない贅沢ツアーになりました。バックパッカーがこんなことしていていいのだろうか。


 結局、友達をつくろう!という意気込みはどこかへ消え去り、代わりにメコン川をのんびり眺めながら、ひとり贅沢にコーヒーを飲み、大量に出てくるお昼ごはんを食べ、



絶対一人用じゃない料理。食べても食べても減らない




 合わせて4時間にも及ぶツアーはこうして終了したのでした。ひとりでも別に…別にじゅうぶん楽しめたもんね…



 あとから、その途中で寄った村で母へのお土産として購入したシルクのスカーフが、他の東南アジアやインドのどの場所で見たものよりも繊細で、触り心地が良く、柄も綺麗で丁寧に作られていて、そして圧倒的に安かったことに気が付きました。


 世界一周を仕事にするために雑貨の販売ももちろん検討していたのですが、あの村のスカーフをもう一度買いに行きたい。逃した魚は大きい。




 そのあと、オーナーのご夫婦から聞いた話によると、ラオスの村で伝統的に伝わってきた織物の技術の多くが、消えてなくなろうとしているそうです。大変な労働であるにも関わらず、そこから得られる収入は決して十分とは言えず、村の若い人たちは仕事を求めて街へ出て、村にはその織物の技術を引き継いでいく人がいない。村に一人のおばあちゃんしか、その村で採れる植物や果物から出せる「赤」を作れない。伝統的に伝わってきた織物の柄を織れる人がもう数人しかいない。


 伝統は守るべきものなのだろうか。自然に廃れて消えていくものなのだろうか。




 正解はわからないけれど、ラオスという国で消えてなくなろうとしているものがある、とわたしが広めることが、ラオスの人にとっても、そしてそれを知った日本の人にとっても、なにかプラスになるようなことを仕事に繋げられないだろうか。


 結局答えは出ないまま、日本にそのもやもやを持ち帰った。この時は考えていなかったけれど、私が将来やりたいことの理想、「自分が好きなこと」「自分にできること」「社会から求められていること」の3つの輪の真ん中に、この時の感じたもやもやは重なっていたのかもしれません。




 幸運にも私は、とある方々の協力により、9月の再出国以降はそれを仕事につなげるチャンスをいただくのですが、その話はまたのちほど。











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