双子の姉なっちゃんの話②【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
ワクワクの人生のために、仕事を辞める。
*この話の前編はこちら→【なっちゃんの話①】
自分でも整理がつかないまま辞表を出したので退職の理由は
「もっと企画を勉強するために転職」というものだった。
だけど、歴史ある会社の退職理由に「転職」は御法度だったようで、
マネージャー、部長、社長と偉い人に話がいくにつれ、
退職理由は長年付き合った彼と「結婚」というなんともおめでたいものになっていた。
なんて同期に盛大に祝福されながら私は会社を退職した。
2012年2月寿退社。ワクワクの人生の扉がひらいたのだ。
あの満点の星空の夜、まぁちゃんとの電話で
「ワクワクする」という感覚はもうしっかり深い部分で思い出していた。
だけど、混乱している自分もいた。
自分はどこにいこうとしているのか。
ワクワクした生き方って具体的には何なのか。
そもそも、自分の判断は正しいのか。
頭で考えると何か間違った方向に行っているんじゃないかと自分を疑いたくなるし、
今まで信じていた大きな柱がぼろぼろと崩れて支える部分がなくて戸惑っている
私の中はそんな感じだった。
今まで信じていた当たり前のことがすっかり嘘だったような、夢を見ていたような。
左を見るとあのワクワクする希望があって、すぐ右には真っ暗な不安があった。
気を抜くといつもの何かを探しているちっぽけな自分に戻って、
自分には何もできないように感じてしまう。
紙一重のところにある希望と不安、
私は思い出したワクワクをもう絶対に手放したくなかった。
ワクワクして生きたかった。
会社を辞めただけ、現実はまだ何も変わっていないけど、
私の中はワクワクを思い出したことで確実に大きく変わっていた。
あの満点の星空でまぁちゃんと話した日から、
昔のように毎日まぁちゃんと電話をするようになった。
それは、小さい頃、毎日同じ布団に入って夜な夜なコソコソ話しをしていた頃に戻ったみたいだった。
真っ暗な夜、お布団の中はいつも私たちの遊び場だった。
二人で宇宙を飛び回ったし
砂漠のらくだに乗って遊んだこともあった
ジャングルに住んでいたこともあった
ただの想像やごっこ遊びだったかもしれないけど、
私たちはいつも二人で夢をみて、その時を最高に楽しんでいた。
楽しいこと、ワクワクすることを二人でいっぱいいっぱい想像した。
自分をちっぽけに思った時、
また何かが足りないと感じた時、私はこのワクワクを思い出した。
ふたりで暮らすという夢
今日も日課になったまぁちゃんとの電話。
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