【第八話】『旅人になった日』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜

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身一つあれば、行動する条件なんて、すでに揃っているのだ。




と思う。








しかし僕は、国道20号線を歩き出して間もなく、


自分の無知に、計画の無さに、苦しめられることになる…






最初の景色…




少し歩くと、相模湖が見えてきた。




神奈川県に住んでいても、相模湖なんてちゃんと見たことなんてない。




僕は見るものすべてが新鮮に感じた。




すべての景色を目に焼き付けておきたかった。




「一番キレイに見える場所はどこだ?」




辺りを見回すと、高台へ続く階段があった。




めちゃくちゃ急な。




その階段を上る。




半端じゃなく思い荷物を背負いながら、

急な階段を上るのは、少し勇気がいる。




でも、目の前に美しい景色があるのに、


少し頑張れば、その景色が手に入るのに、諦めるなんてもったいない。






この旅で僕は、後悔は絶対にしたくない。




「あの時あぁしていれば…」




なんてことは一つも残したくないのだ。






後悔する時は大抵、

本当は出来たのにやらなかった時だ。



出来ることは何でもやる!




それがこの旅でのルールなのだ。






そうして高台の頂上へたどり着いた。







「うーん。相模湖だね。」



「キレイだけど。」




後悔しないために行動をしても、

最高の結果が手に入るとは限らない。




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