背中合わせの合鍵
聞けなかった事を聞こう…。
僕は暗闇の中で彼女に話しかけました…。
桐リュウ坂口
「あのさ…。
俺、不安にさせる様な事をたくさんしてたよね…
俺の事本当に好きだったの??
嫉妬とか全然してなかったの…?」
暗闇の中、背中合わせに僕は彼女にそうききました。
その言葉に彼女は…
こじ◯る似の彼女
「嫉妬してたにきまってるじゃん…。
ずっと我慢してた…。
でも頑張って上に行ってほしかったし、
色々言って嫌われるのが怖かったから…
結局、嫌われちゃったけどね……」
そう言って小さく泣いていました…
いつまでも………
…
…
…
いつのまにか眠ってしまい、昼過ぎに目を覚ましました。
彼女はすでに居ませんでした…
彼女の私物なども無くなっていて、
部屋がとても広く感じたのを覚えています…。
テーブルの上には合い鍵と手紙が。
こじ◯る似の彼女
『今でも大好きです。
でも、もうダメなんだと思う。
お互い言いたい事を言わなすぎたんだよね。
最後に背中をくっつけて寝たの…
悪くなかったよ…。
今までありがとう。
これからも応援してます…』
…
…
涙がでました…。
彼女は今でも好きでいてくれた。
別れる原因を作ったのは僕なのに…
なんの涙だよこれ…。
泣きながら笑っちゃいましたよ…
彼女と付き合ったのはちょうど1年。
自分の若さと弱さ醜さが刻まれた恋愛の記憶。
…
…
…
僕は今でもたまにひとりで目黒川へと出かけます。
目黒川。
彼女と出会った時、別れた時、そして今日。
いつも綺麗な桜で僕を迎えてくれるのでした………
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