『友達ゼロの人嫌い』が3.11被災生活を通して『人すげぇ!ホントはみんなイイやつ!』に変わり20年の人間嫌いを終わりにした話

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【自分ができることを「やる」勇気】

食料を買おうと、

たくさんの人々が並ぶ列に、

その人は、

何か小さな紙切れを持って、近づいていった。

50代位の女性の方。

 


そして…

彼女は大きな声でこう言った。

『これから!給水情報をお伝えします!』

列に並ぶたくさんの人達の視線が

一気にその人に注がれる。



『○○地区!場所!○○小学校校庭!○時から○時!』

格好はどう見ても、一般の方。

 


『△△地区!場所!△△区役所!△時から△時!』

拡声器もなにもない。

 


紙に書いてきた給水情報を

その女性は

声を振り絞って、発信した。

  


『以上です!』

 


伝え終えた彼女は、

すぐに立ち去って人混みの中に消えていった。

 



…………

 


……

 


オレは目の前の出来事に圧倒され、

一日中、その姿が焼き付いて離れなかった。

 


…あれは一体なんだったのか?

考えに考えた。

他人の心の中を、心の動きを

こんなに想像したことがあっただろうか…



そうして、わかったこと。



あの人はきっと、

自分が知り得た情報が

多くの人にとって

「いま」役立つ情報だと感じ、

 


自分にできること

 

やるべきと思ったことを

 

自分ができる方法で

  

ただ、ただ

 

やったんだ。

  

そう、思った。


彼女の方法はとても原始的で

「より多くの人に」という意味では、

Twitterなどと比べて

大きく劣るとは思う。

 

 

それでも。

 

 

彼女は自分のできる限りの方法で

行動した。

 


…オレはその日、

あの女性のおかげで、

『人間』そのものを見直すことができた。

 

 


【自分を生き直す決意】

あの被災生活で

見た光景、体験した出来事

その全てが、

これまでの自分の価値観、人生観を

 


大きく揺さぶった。

 


そして、

他者の優しさと強さの中に、

見つけた共通点。

 



そうかっ!!

  



人間ってのは…

モノも

ココロも

分かち合うこと

ができるんだ!!

 


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