ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。

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機内もこれまたすいていた。


私たちは、3人がけのスペースをシェアして


ゆうゆうと座席にすわった。


行きのDVDは「繕い裁つ人」。


日本独特の美しい世界。


緊張感があって美しい。


この美しい絵図らを見ていて、


そういえば、ふと、思い出す。


お寺育ちの私は、お客さんが来るたびに


3つ指をついて挨拶をさせられていた。


ってなことを。


形式的にそうさせられること。


いくら美しくたって、心がなければ、


形式には、意味がない。


気持ちがNYになっていた、私は


この独特の形式的な緊張感から解放されに、


いくんだ、ワーイ、NY!






飛行機にすわっていたら拍子抜けするぐらい


あっさりとNY到着。


私たちはNYの地下鉄で


ホテルのあるマンハッタンを目指した。


「ボク、トイレに行きたいかも」


マンハッタンに入った頃、不安げに野村さんが言う。


地下鉄の中、トイレがどこにあるのかわからない。


駅にいた黒人のおじさまに聞く。


トイレはどこですかね?


黒人のおじさんは気前のいい笑顔で答えてくれた。


上にあがったところにあるさ。NY楽しんで〜!


黒人のおじさまの話し声は、


まるでJazzの生演奏のような響き。


不思議な満足感とわくわく感で、背中を押されて


私たちは地上に出た。






地下から地上へ階段をのぼると、


そこにはまぶしいNYの日差しがふりそそいでいた。


マンハッタンの何番街なのか。


そびえ立つビルに刺すような光。


さっそうと歩く、白人、黒人、アジア人。


みんなカラフルでピカピカしている。


地下から出てきた私と野村さんは、


もぐらのようにアップアップしながら、


地図をなんとなく見てみるもよくわからず、


ホテルの方向と思われる歩きの流れに


よたよたと合流した。


トランクを引きずりながらも、


けっこうなテンポで歩きながら、


このまま行くと着くのかな?


ふと、疑問になり立ち止まる。


「大丈夫?」


NYのビジネスマンに声をかけられた。


ああ、そっか。この気さくさなつかしい。


ホテルの場所をつげると、


「そこまで、歩いていくなんて、頭がおかしくなるよ。タクシーにのって!」


適切なアドバイスにより、タクシーにのって、


ACEHOTELに無事、到着した。




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