さまざまな愛

なんというか、が気になる。

以前読んだ西加奈子さんのベストセラー。

『さくら』

 

さくら (小学館文庫)/小学館


ここに書かれている愛。

固執とも言える愛。

 

かなり前に読んだので、うろ覚えな感じで。

妹は、兄を愛している。

兄妹愛じゃない。

異性として愛している。

 

兄は、とてもかっこいい。

頭もいい。スポーツマンでもある。

人柄もよくて、とにかく完璧。

 

そんな完璧すぎる兄を持ったのが、その妹の不幸かもしれない。

その兄と比べたら、ほかの男子がごみみたいに見えるだろう。

 

で、その兄にぴったりの彼女ができる。

どうみても相性がよくて、ラブラブ。

 

妹は、苦しい。

 

で、彼女が、家の事情か何かで遠くに引っ越す。

住所も知らせずに急に引っ越したのかな。(ちょっとうろ覚え)

ちょっと前の時代設定なんだろうな。携帯が出てこない。

で、彼女は、兄に手紙をよこす。

たくさん、たくさん。

 

兄からは、返事がないのに。

 

なぜ兄から、愛する彼女に返事がいかないのかといえば、

妹が、その彼女の手紙を全部かくしてしまったから。

 

兄からすると、愛する彼女が居所もわからず音信不通。

彼女からすれば、愛の手紙を出しても出しても、音信普通。

2人とも、強く愛し合っているのに。

 

その彼女の手紙は、だんだん悲痛になっていく。(うろ覚え)

 

結局、二人の愛は妹によって引き裂かれてしまったんだけれど、

それでも妹は安心できない。

だって、兄は魅力的すぎるから。

兄を好きな人はたくさんいるから。

いつまた、兄と相性のいい彼女が現れるかわからない。

 

そんななか、兄が交通事故に遭う。

かっこよかった兄は、車に引きずられ、怪物のように見られない姿になってしまう。

人の顔を保っていないほどに。

 

兄は当然、死ぬほどの苦しみを味わう。

でも妹は、ほっとするのだ。

怪物になってしまった兄は、もう誰にもとられる心配はないと。

 

なんかね、異常な固執。

妹は、歩くこともできない兄を、毎日車いすに乗せて散歩をする。

面倒をよくみる。

妹は、幸せを感じている。

 

でも兄は、あまりの苦痛に自ら命を絶ってしまう。

 

そのどん底のような苦しみの時に、あの彼女がそばにいたら、

兄は希望をつないで、命を絶たなかったかもしれない。

 

妹は、それをわかっているんだろうな。

妹の愛は、愛というより、異常な固執なんだろう。

 

 

もう一つ、心に残る異常な愛。

 

辻村深月さんの『子どもたちは夜と遊ぶ』

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)/講談社

深すぎる傷を負った木村浅葱。

浅葱にひかれていく月子。

これもかなりうろ覚えでいいかげんなことを書くかもだけれど、

月子は浅葱の狂気の愛に刺される。

 

人って、わかんないなあ。

まだまだ不思議だ。

 

いやこれ、小説だからってのもあるけど、

小説を書いているのは人で、それを好きで読んでいる人たちがいるから

出版されるわけで。

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