下ネタドライバーとの遭遇〜ベトナム

昨夜滞在していたベトナムのリゾート地ニャチャンから深夜バスで、ベトナム縦断最後の都市ホーチミンへと向かう。
バス道中、僕がいるスリーピングシート近くの窓からカタカタと奇妙な音が聞こえてきた。
始めは窓でも開いているのかな。と近づいてみると、窓ガラスの代わりに窓枠を塞ぐようにベニヤ板で固縛されていた。
それはバスがスピードを出せば出すほど、この奇妙な音は大きくなっていた。

まあ前回も深夜バスがエアコンのトラブルで整備工場に修理に向かったりと、こういう系のトラブル自体にもだいぶ慣れてきたのかベニヤ板の件はまったく気にならなかった。

事件が起こったのはこの翌日の事であった。

僕はこのホーチミンに3日間滞在し、マレーシアに移動するためにベトナム通貨であるドンを極力残さないため、最低限のドンしか持ち合わせていなかった。

ゲストハウスのドミで5ドルの部屋にブッキング後、重い荷物を置いてさっさと観光に出掛ける。
適当に街をぶらぶら歩いていると、バイクのドライバーが後ろから声を掛けてきた。

「あなた、日本人ですか??アイーン!!コマネチ!!私がバイクで観光スポットにつれてってあげるよ。」

なんてなんて怪しいんだ。
日本語を話すこのおじさんがホーチミンにある観光スポットの写真を見せながらツアー内容を色々と説明してくれる。
そして今までに乗せてきたお客さんの様々な言語の感想メッセージを見せてくれるが、なんだか逆に信頼できなくなってきた。
このバイクで色々なトコに連れてってくれて1時間で5ドルらしいが……ベトナムの物価でいえばホテルの値段と同等なので決して安くはない金額だ。
今までの都市でも沢山のドライバーに声をかけられるが、僕はもちろん断ってきたのだ。

だが、この「アサダチ、ヒルダチ、トモダチ!!!」と話すおじさんのカオスな感じに魅せられ、観光案内してもらうことにしてもらった。2時間分ぐらいのドンならなんとか払えるし。

最初のスポットは戦争証跡博物館だ。
「見学が終わったら博物館の向かい側で待ってる。」と言われ、20分程見学して指定された場所に向かうと、あのおじさんドライバーがいない。

初っぱなからかい!!っと独り言を呟くと、別のバイクドライバーが現れて、
「さっきのドライバーから話を聞いている。俺が次に案内するぜ!!そういうシステムなんだ。」

ますます怪しい。
だが、僕はこの想像を超えてくる面白さに身を任せた。
このおじさんドライバーの案内で中華街が近くにあるビンタイ市場やサイゴン川等を観光しに行った。

すべての観光が終わり、帰路の途中に大きな公園に寄った。
まず始めに「この日記にメッセージを書いてくれ。」と言われ、この観光ツアーの感想を適当に書いた。

最後に「ここでお金を払ってくれ。」と言われ、2時間だったから10ドル、200000ドンを払う用意をしていたら、

2000000ドン!!!!」

なんか1桁多くない?いやいや……。日本円にすると1万するんですけど!!

「ベリーチープ!!ノープロブレム!!」

あほか、めっちゃ高いわ!!

最初のドライバーから言われた条件の1時間で5ドルの説明を行うが中々折れてくれない。

「もういいから財布を見せろ!!」と言い寄るドライバー。

僕は270000ドンしか入っていない財布をドライバーに見せ付けた。

言葉を失い、顔を横に振ったドライバーは観念したのか、こちらが差し出した金額で折れてくれた。

ベトナムにて日本語が話せる下ネタドライバーとノープロブレムの発音が良くて連呼するドライバーを見かけたら要注意だ。

著者の奥原 崇志さんに人生相談を申込む

著者の奥原 崇志さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。