第百十六章 成績を上げるメカニズムは複雑怪奇

第百十六章

「成績を上げるメカニズムは複雑怪奇」

  世の中には成績を上げる指南書があふれている。和田秀樹さんの「新・受験技法」はすぐれた本だと思う。しかし、それを読んだところで東大や京大に合格できるわけではない。

  私の塾では毎年「京大」合格者が出る。しかし、私の塾に来れば必ず難関校に合格できるわけでもない。勉強ができるか否かは、遺伝子、幼少期の育て方、学校での学習環境だけでなく、経験値も影響する。

 しかも、その一つひとつは解明ができないほど複雑だ。遺伝子の配列がどうなると知能が上がるのかは分かっていない。分かっても操作できるのか、操作して良いのか超えるべきハードルは複雑だ。

 理想的な教育環境といっても、同じ教育環境から異なる成果が生まれる。環境が全てではない。

 それに、勉強ができることに意味を見出さない人も多い。金に人生をかける人もいるだろうし、芸術、スポーツに人生をかける人もいるだろう。

 だから、私は

「医者や弁護士、研究職など知的な仕事に就きたい才能と素行に問題のない子」

 だけを指導することにしている。それだけ条件を揃えても、必ず合格できるとはいえないほどに競争は激しい。

  私、叩かれるんですよ。

「アホは切り捨てるのか!」

 って。でも、違うでしょう。プロ野球でも、甲子園で活躍した選手を中心にスカウトする。その他の選手は切り捨て。就職試験もそう。学歴を参考にして、ふるいにかける。高校を卒業したら、弱肉強食のジャングルに放り込まれるのに、学校では

「偏差値追放、順位は発表しない、業者テストは廃止」

 という。何という建前、隠蔽、きれいごと。

 私の塾に成績優秀な子が集まってくれる生徒は何を求めて来てくれるのか。お分かりだろうか。

「ウソはやめてほしい」

 ということだ。「相棒」で言っていた。

「絶望の現実より、希望の嘘に飛びつく人が多い」

 これでは、受験に勝てない。

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