現在28歳でアメリカでプロゴルファーを目指している私が出来上がるまで。(大学時代 –リーグ戦)

レギュラー争いとリーグ戦


体育会ゴルフ部では「個人競技を団体で戦う」という経験をしました。


(以下 学生ゴルフ競技の具体的説明になるので、その分野に興味のない方は是非すっ飛ばしてください。

自分が本を読む時、こういうパートは面白くないので流し読みしてます)


部活動の主な目標は、年2回ある「関東大学対抗リーグ戦」で優勝する事でした。


リーグ戦は上位から6校ずつを区切ってA、B、Cブロックと分けられています。

Aブロックの上位3校は全国大会へと駒を進めます。

また、Aブロックの最下位校と、Bブロックの優勝校が自動入れ替え。BとCも同様です。


我がゴルフチームは、私が入部した2007年当時、Bブロックにいました。

目標は「Bブロック優勝!Aブロック昇格!」でした。


競技形式は2日間のストロークプレー、各校Aブロックは6名(うち上位5名)、Bブロックは5名(うち4名)、Cは4名(うち3名)のスコア採用で、合計ストロークを競うこととなります。


つまり、1人や2人ズバ抜けて上手い選手がいても、3人チームとかでは良いのですが、上位ブロックに行くほど個人あたりの貢献度は下がるので、チームの総合力が問われることになります。


トップにはプロ養成学校のような有名校が名を連ねます。

一方我が校は、文武両道、まったくの初心者から部活に入る部員も多く、そういった背景が違う中で、実力の差は歴然としていました。


K監督が常々言っていたのは、「チーム力で勝つ」

K監督
君たちのような頭の良い学校の生徒が優勝して、全国大会に行ったら、ゴルフ界の常識がひっくり返るだろう。
君たちは一日中練習をしている訳じゃない。限られた時間の中で、いかに効率よく上達するか、頭脳戦で勝負するのが君たちのスタイルだ。


K監督の圧倒的な統率力と指導力により、チームは魔法にかかったみたいに一丸となって頑張りました。


私が入部した2007年度、初めてのリーグ戦をレギュラーとして迎えた私はガチガチに緊張していました。

初日は「※」(通称コメ:補欠の意味)で撃沈しましたが、2日目はスコアが採用されて、チームの成績に貢献できたのが本当に嬉しかったのを覚えています。春はBブロック準優勝。

このまま勢いに乗って秋は優勝…となりかけましたが、同期のスコア過少申告のミスにより、幻となってしまいました。(規則6–2 b)


同期M
ごめんなさい… 私の不注意で、アテストミスをして… (嗚咽)
H先輩
ううん、Mは悪くないよ。私が確認していればこんなことにはならなかった… だから私の責任です… (嗚咽)
M先輩
いいえH先輩、Mのバディだった私のせいです…私がチームの優勝を奪ってしまい… (嗚咽)
A先輩
…みんな悪くないよ!!みんな大好きだよ!! このチームは最高だよ!!(絶叫)

もう、何が何だかわからない美しい涙の引退をされた先輩達。


その後チームはS新主将指揮のもと、翌年の春には雪辱を晴らしAブロックに昇格しました。強力な新入生Sちゃんが、全国大会に行ったことのある実力者だったのも、チームのレベルと士気を高めました。

S主将は生粋の帰国子女でアメリカで生まれ育ち、大学で初めて日本に住むことになった人でした。

S主将は私が入部した当時はアメリカに短期留学中で(アメリカから来てたのに 笑)、部活動を1年ほど留守にしていました。本場のゴルフチームに混ざって、トレーニングを積んで、凱旋帰国してきたのでした。


Bブロックは私立お嬢様学校が多い。

女子の場合はゴルフ競技人口が少なく、本当に上手い子は高校を卒業すると同時にプロゴルファーに転向する子もいる。

大雑把に言うと、大学でゴルフをしているのは、有名なプロゴルファー輩出学校のガチな学生か、大学からゴルフを始めたキラキラ女子大生ゴルファーかの二層構造といえる。

つまりAブロックは、前者の「ガチな学生」グループに入る訳で、今までとはレベルが違う。


圧倒的実力者のS主将、新生Sの二大スターがチームを牽引してくれる。

しかし5人分のスコア採用がされるAブロックで、残りのレギュラー枠を誰が取るのか。そこからは熾烈なレギュラー争いが繰り広げられることになります。



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