大学生になりました~ひでお物語~

前話: 大学合格の軌跡 奇跡 後編 ~ひでお物語~

たなぼたで大学に合格した ひでお少年だったが、それなりにほっとしていた。


でももう時は3月の中ごろ、入学式まで間がなかったので、ばたばたと手続きをして、

その足で、下宿先を探した。


大学で斡旋してくれていたので、行ってみた。





大学から歩いて10分くらいのところにある、パン屋さんのとなりだった。

交差点のど真ん中だったので、車の音がうるさいし、おまけにトイレはぼっとん便所だったのでくさい。


台所は2階の人との共同。



ちょっと悩んだけども、なんとなく勢いでそこに決めた。







となりがパン屋だったから、あまったパンをもらったりした。

けど、 年に数回だけさ。


 


2階の住人は法学部の同じ1年生。めったに顔はあわせなかった。


人付き合いの悪いひでおだった。


2階の台所もめったに使うことなかった。大学の学食でたべることが多かったし。



お風呂は小さかった。


ときどき隣に住むばあちゃんと鉢合わせした。



気まずかった。




朝風呂に入ってると、怪訝な顔をされた。

車の音はうるさかった。クーラーもなかった。暑い夏はトイレの匂いがたまらなかった。

だからってことかもしれない、ほとんどだれも遊びには来なかった。




仕方なくここに2年すごした。




2年間バイトしてやっと引越し費用ができたから。

2年目の夏は、夜中のバイトをして稼いだ。

昼間は暑くて寝れたもんじゃなかったけど。



その下宿では

あまりいい思い出はないし、今ではそのパン屋もつぶれている。


下宿はあるけど、外からでは住んでいるのかどうかはわからない。




でもそんな下宿先でのいい思い出。




ある夜パン屋さんに一人の女子大生が逃げ込んできた。

いわゆるストーカーにつきまとわれているとか。


そんな時ひまなひでお少年がとなりから呼ばれた。「この女性を送って欲しい」と。



突然のボディーガード。女性とふたりで歩く夜道・・・。 

なんかどきどきしてた。2月4日のできごと。


なぜか日付をよくおぼえている。

その後なんの進展もなかったけど。手をつないで歩いたわけでもないけど・・・。




それから、クリスマス時期、となりのパン屋でバイトしている女の子がいた。


パンをときどき買っているうちに少し仲良くなった。


時期がクリスマスだけに、なんかテンションあがってきたひでお少年。




で、




その女の子に・・・こく・・・・勇気のないひでお少年でした。




女の子は友達と遊びに行きました。せつないクリスマスなのでした。



つづく・・・



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