うつだっていいじゃない!【其のニ・心療内科】

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自身の「うつ」について触れてみる。

「これはもしかしたらうつ病というやつなのか?」と初めて感じたのは今から10年以上も前のこと。勤め先の吸収合併に伴う自社消滅の喪失感、そこに加わる燃え尽き症候群、こんな要因が複数重なったことが「うつ」を引き起こしたと自己分析した。

そんな鬱鬱とした気分に陥っていたせいか、ブログに今の気持や状態を書き綴ることが増えていった。すると、あるブログ仲間がこのようなアドバイスを投げかけてきた。

「もし心療内科を受信するならカウンセリング施設を併設しているところがいいよ。」

ネットの中だけの知り合いとはいえ、コメントのやりとりを通じ信頼に足る人だと判断していたので、その言葉を頼りに心療内科を探してみることにした。

いくつか候補を絞り込んだ中で、さらに立地条件や診療時間など細かい部分を加味し、これだと思える心療内科を決めて早速受診予約をした。

心療内科へ行く事にそれほど抵抗感はなかったが、いざ足を踏み入れてみると他の病院とは違う独特の重い空気感が漂っていたことは今でもよく覚えている。

(俺がここにいるの場違いじゃないかな?本当にここにいていいのかな?)

「病は気から」ではないけれど、そういったモヤモヤとした気の塊のようなものが自分の体を支配してくる。そんな感覚を味わった。


精神科医は非常に淡々とした人物だった。

(本当に大丈夫?こんな対応で?ちゃんとわかってんのかな?)

表現は悪いがあまりにもあっさりすぎる対応にちょっと辟易としたものだ。

後にカウンセラーと面談した際に聞いてみた。

「あの先生本当に大丈夫なんですか?信頼できます?」

「あの先生はかなり変わり者なんですけど、処方の腕だけは確かですから。」

その言葉で少し安心感を抱いた。

ちなみにこのカウンセラーが美人だったからというのも安心感の一つに繋がったことは否めない(笑)

投薬とカウンセリングの二本柱で徐々にではあるが前向きな考え方ができるようになっていった。やはり処方は正しかったようだ。

この通院を経てハッキリわかったことがある。「うつ」に苦しむ人は当然自分だけではない。それどころか、想像を超える数えきれないぐらい多くの人が「うつ」に悩まされているという現実だった。

イラスト/ ©2016 つばめとさくら

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