就活から逃げてピアノを始めたらド素人が8ヶ月で最難関の英雄ポロネーズが弾けてしまった話(音源あり)
最近、YouTubeに昔弾いたピアノの音源をアップしたら「勇気をもらった」「感激した」と言っていくれる人が結構いた。なので当時の体験をシェアしたいと思う。
この話は僕が起業した後の人生の教訓にもなっているので、もし今何か挑戦していることがあれば参考になれば嬉しい。
親のような真面目なサラリーマンだけにはなりたくない
銀行マンの父と証券ウーマンの母の間に生まれた僕は、とにかく両親のような生き方が嫌で嫌で仕方なかった。
上司の命令1つで転勤が決まる転勤族。
そのため僕は転校を繰り返していた。
小学校は3校行ったし中学校も2校行って義務教育だけも5校も行ったので、
常に会社にすべて支配され続けていることは小さいながらも身を持って体験していた。
僕は親の生き方を反面教師にしてその反骨精神を原動力にしいていた。
「普通に大学に行って就職とか墓場やわ」とか言って粋がっていた。
ただの中二病でしかないし、今思うとマジでクソすぎ。
就職する以外の道を模索して芸大に入り、台本を書くライター・映像の編集・Web制作など何でも屋のようにやってみるものの3000円とか4000円とかしか稼げない。
こんなので生活できるほど世の中甘くはなかった。
高校時代からの仲が良かった友達は、週刊ジャンプの手塚賞を獲って集英社の担当者がついて、卒業前の時点でもう大きな仕事をしていた。
正直羨ましすぎた。
僕は何の才能もないし、オワタ\(^o^)/
ほんとうに社会のゴミだと思っていた。
時は過ぎ1年後には卒業。
モラトリアム期間は終了し、仕送りはストップされる。
でも「就職するぐらいだったら死んだ方がマシ」という中二病は治らない。
就活は嫌だ!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!やりたくないことは絶対やりたいくない!
就活がイヤ過ぎて現実逃避
当時、キャンパスライフが描かれたドラマが放送されていた。僕とは全く真逆の充実したキャンパスライフの内容だった。
妻夫木聡と柴咲コウが出てたやつ。そこで、難聴のヴァイオリニスト役をしている柴咲コウがピアノを弾くシーンがあった。
その曲を聴いて「おーこの曲めちゃいい!!」と思った。で、今までにピアノなんか弾いたことないのに、この曲ピアノで弾けたらいいなあと。
「よしこれを弾くことを目標にしよう!」
と、なぜかわからないけど直感的にそう思った。今思うと完全に就活というやるべきことから現実逃避したいだけのおこちゃまだ。
「こんなん素人が弾くのは無理やと思うよ」
さっそく曲名を調べたら、それはショパンの通称『英雄ポロネーズ』という曲だった。
僕はとりあえず楽譜を手に入れたかったので、ピアノを選考している知り合いのM子に聞いた。
なぜこういう反応をされるのか、その時僕はよくわからなかった。
けどそれは、楽譜を見た瞬間にその理由は明らかになった。
楽譜を手に入れたら最難関の曲だった
あら?これ・・・結構大変そう。
一瞬気が遠くなった!
こんなにオタマジャクシの周りに記号がついている楽譜は始めてみた。
ト音記号とヘ音記号の読み方しかわからない僕は、まず演奏記号の意味を調べるとこからはじめた。
調べているとわかったんだけど、どうやらこの曲の難易度はA~Fランク付けの中で、最難関のFランクに当たる「上級上」というものだった。
もちろんプロと素人では"弾ける"レベルは違うんだけど、人前で弾くには5年かかると言う人もいる。
ピアノをはじめて1日目。一小節目からもうわからない・・・・
ピアノをはじめて1日目。案の定、一小節目からもう弾けない。
楽譜には「指番号」というどの指で音符を弾いたら良いのかを示した番号がある。しかし、この曲は最難関だけあって、指番号を見てスラスラ弾けるようなものではないのがわかった。
楽譜を手にしたのはいいものの、譜面だけで弾き切るのは確かに無理だと思った。ピアノ専攻のM子が言うようにもっと簡単な曲からはじめた方がいいのか?一瞬頭をよぎった。
けど僕は就活から逃げて現実を逃避している。言ってしまえば"バーチャルな世界"に浸っている。なのに基礎から忠実にはじめるみたいなそんな建設的なプランはおもしろくない。
そう思った。
このノリで一気にやり切りたいせっかく最難関だというのがわかったんだから、最初からこれに挑戦したい。僕は最初この曲を聴いた時、決して難しそうとは思わなかった。
けど、
譜面を見て難易度が最上級のFだと知り、世間一般では難しいと言われていることを知ってしまった。それで難しいものと思い込まされた気がした。
なので僕は最初に「自分にもできそう!」と感じた感覚を大切にしようと思った。
衝撃の出会い
楽譜があっても実際どういう感じで演奏すればいいのかわからない。音声CDだけでは完全なイメージができない。
僕は実際にこの曲を演奏しているのを見える環境が必要だと思った。そして、お手本となる演奏者を探すところからはじめた。
幸い資料室にいろんな演奏資料が置いてあったので、僕は英雄ポロネーズを演奏するピアニストを調べあげた。
そこには今はもう無いLD(レーザーディスク)というレコードみたいな盤の映像資料も貸し出しがされている。
そこで僕はあるピアニストのLDを観て衝撃を受けた。
そのピアニストはスタニスラフ・ブーニンだった。
素人の僕はそのブーニンの演奏を見て、何これ!!!!!
と思った。タッチの強さや表現が他のピアニストとは全然違う!何かが圧倒的だった。表現方法が圧倒的なのかもしれない。
でも何が違うのかは言葉では言い現せない。なんかそんな感じだった。
「カッコ良すぎる!!!」
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