【ヒッチハイク】東京 少しでも 運んで下さい

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と思ってたから一応の礼儀としてからだを流していくことにした

だけど日焼けが痛くて銭湯や温泉には入れないから

マンガ喫茶のシャワーを借りて

2日分の汗を流して

マットで寝て

元気100倍

アンパンマンの新しい顔になった気分


その元気で道行く人にまた号外を配りながら歩いていると

「暑いのにえらいねぇ」

とジュース代にとカンパしてくれる方もいました

買い物にいく人や犬の散歩している人

「新聞の勧誘?」

「何でそんなことやってるの?」

最初は疑っている人ほど熱心に説明すると応援してくれる

ありがたいねぇ


夕飯は横綱屋というところでチャーシュー丼を食べました

ねぎ食べ放題なのでたくさんかけて食べると濃いタレにぴったり

でらうまい


んでトラックステーションを発見して

ダンボール持って始めましたよヒッチハイク

ナンバープレート見たら関西とか中部がやっぱり多いんだけど

あるよ大宮とか春日部とか群馬とか湘南とか


だれか乗せてぇ


立ち始めてすぐ5分くらいで声かけられました

よっしゃと思ったのもつかの間

「無理だと思うよ同乗者の保険なんて入ってる人いないし

見ず知らずなんだから

万が一事故でもおきたら

損害賠償とか責任取らなくちゃだし

それにこんな夜8時に東に行く人なんて

20台に1台いれば良いほうだよ」


ででででーん


でも俺はまだ諦めんぞ

トラック出口付近に立ち続けること2時間

まぁ座ったりもしたけど待てど暮らせどつかまらない

1メートルも前に進まない

こういうの考えるとやっぱり歩いてるほうが楽なんだよね

つかまらなくてもとりあえず前に進めるから

でもここでつかまえないと長距離を見つけるのは難しいらしい

それはみんな高速に乗ってしまうから下は走らないからだそうだ

仮に下を走っていてもスピードにのっているので

ヒッチハイカーに気付いても結局止まれない


でも立っているといろいろ話をしてくれる人が多い

「どっから来たの」

「すまんねぇ方向逆だわ」

「これでジュース買いな」

トラックの運転手の方みんなとっても親切だ

その中の1人が

「疲れただろうからトラステ(トラックステーション)の中で待ってなよ

 俺が受け付けのおばちゃんに話してきてやる」

と僕を中に連れて行ってくれた

「この子東京に帰りたいんだって

 そっちのほうに行く人いたら

 教えてやって

 そんでずっと外に立ってたからちょっと休ませてやってよ」

と中の休憩室で休ませてもらいました

クーラーって涼しいね

別世界に来た感じ

ちょっと休ませてもらって出てくるとおばちゃんが僕を連れて食堂に行き

「この子東京行きたいらしいんだけど

 誰かそっち行かれる人いない」

と聞いてくれた

食堂には20人くらいいたかな

その時恥ずかしかった

おばちゃんの気持ち嬉しかったけど

なんか嫌だった

そん時はなぜだか

どうせいないと思った

そして案の定いなかった


前向きに今までやってきたけど

この時はちょっとへこんでた

きっとあの中に2・3人は関東に行く人がいるはず

でもその人もきっとなんか理由があって乗せてもらえない

今日は無理かもしれない

で明日もあさっても無理で

電車で帰ることになるかもしれない


そんなん絶対嫌じゃあ

誰でもできるもんじゃなくて

俺は俺なりのやり方で帰らせていただくんだ

俺はヒッチハイクで帰ると決めたんだ


それからまたトラステに

入る人出る人に声をかけた

そこに30くらいのお兄さんがおばちゃんに

「ガムテープ売ってる?」

とか聞いている

おばちゃんはないと言ってるが実は俺は持ってる


「ぼくガムテープ持ってますよ」

「ちょっとだけでいいから売ってくれぃ」

「そんなんお金とかいいですよ」

みたいな感じで荷物ごそごそやってたら

おばちゃんがいいタイミングでバスの運転手さんに

「お兄ちゃんどこいくんだい」

と聞くと

「厚木」

だってさ

ATSUGIって神奈川じゃないっすかー

俺はダンボール見せながら

「僕そっちのほうに行きたいんですけど…」

「東京って書いてるけど厚木でよいの?」

もちろんっす

そんな経緯で乗せてもらうことができました

おばちゃんどうもありがとう


移動距離300キロ

もと走り屋だったそうなので

走り屋さんとさせていただきましょう

あとで聞いたら

走り屋さんホントはガムテープなんかいらなかったみたい

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