バランスの薔薇⑥「最高のシチュエーション」
結婚の祝杯とはなんだろ?
結婚式を行うと家族、友人が盛大に祝ってくれる。それはこれから幸せになる2人の為に贈る祝いなのか、それともこれまでの苦難を乗り越えてゴールした祝いなのか、もしくはただのパーティー好きなだけなのか。
未来を祝すのと過去を祝すのとでは大きく違う。
僕は多くの人に祝われて結婚する事になった。
単純に現在その祝われている事に対して、嬉しかったし幸せな気持ちになれた。
2015年、僕たちGメンみんなで集まって遊んだりする回数が減ってきた。
アホみたいに夜集まって、遊んでいた23歳の時と違い、27歳にもなれば落ち着いてくる
朝も早くて休みの少ない忙しい仕事についたり、みんなの生活は変化していた。
この社会に一人一人に役目という分担されたマスに、ハマっていく感じだった。ポジション探しをしていた
みんな大きく環境が変わっていた。
あのいつも元気な輝樹も、今までお世話になっていたスポーツショップを退職していた。
仕事を辞めてから山口さんともあっていないらしい。
彼女のユカリとは変わらず交際をしていて、順調に続いてる。
みんなはそれぞれ自分の生きる道、守るものを見つけ始めてきている
輝樹もそうだった。輝樹は自分でビジネスを始めていた
仕事の内容は何でも屋さんだ。
いわゆる便利屋さんで人の困った事を助けにいく仕事。いつも誰かの為に動いていた輝樹にとっては、向いている仕事だ。夏場はエアコンのクリーニングや、草刈り、冬場は雪かき等が多い仕事らしい。
僕のパソコンが壊れた時も輝樹に、連絡したら直してくれた。
本当に何でも出来てしまう人なので、向いてる。
2015年、3月下旬。
暖かい季節がやってきて、春の訪れを教えてくれる桜が開花してくる季節に、輝樹にこっそり呼び出されて相談を受けた
「俺、そろそろ便利屋の仕事も軌道に乗ってきたし、マコちゃんも結婚しちゃったし、ユカリにも安心して欲しいから、今年の夏くらいにプロポーズしようと思う。なんかハデに行きたいから協力してくれ!」
世の中の人の生き方としては、自然の流れだった。4年付き合った彼女も、20代後半にさしかかり、周りも結婚し始めてきて、仕事も順調。輝樹は世の中の多くの人の生き方通りの選択をしたのだ
「もちろん、協力するよ!最高のシチュエーションを準備するよ。ド派手にやっちまぉーぜ!!」
僕は企画力には自信があるから、一生の記憶に残るようなプロポーズにしたいと考えた。
これが、僕らや輝樹やユカリちゃんにとって、本当に一生の記憶に残ってしまうプロポーズとなってしまった・・・、
※これは実話元にしたフィクションです。実際の登場人物名、場所は関係ありません。
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