写真と映画に魅せられる日々

木下直哉です。どこにでもいる男子大学生です。

自分のことについてあまり冷静に考えることはなかったんですが、就活を前に改めて自分を見つめ直そうと思い立ったので、この場を借りて書き残します。


みんながスマホをいじるように一眼レフをいじるのが僕の日課です。レンズ越しに見える世界はどことなく裸眼で見るより景色が広く見えたり、映画のワンシーンみたいに感じたり、また現実とは違う世界が広がっています。写真は過去を形として残せて何枚も重ねて見ると映画みたいに一つの物語が出来上がります。カメラのレンズが映画のスクリーンだとしたら、写っているのは何枚も撮り続けたフィルムでありアルバムのようだと僕は写真を撮りながら思います。


勉強をする日々の中で友人達の楽しそうな姿を撮ったり思い出を形にしたりする瞬間は自分にとって大切なひと時です。友人達に「木下も一緒に!」と声をかけられても、撮られるより撮る方が好きなので断ってずっとカメラマンとして動いています。いつもは見逃してしまう瞬間もこうして少し意識をしてみれば形に残すことができるんだと実感しています。まだまだ技術はないし、思うように撮れない時の方が多いけれど、きっと時間が許す限りカメラを持ち続けると思います。


僕は写真家を目指そうと思ってカメラを手に取ったわけではなく、単純にカメラを構える姿がカッコ良いというちょっと不純な理由で始めました。初めてカメラを手にした時、落としてしまわないか不安でそれだけで頭がいっぱいでした。上手く撮れることを全く意識してなくて、カメラを持っていれば何かしら話のネタになるんじゃないかと思っていました。だから、その時はまだファッションの一部としか感じていなかったんです。でもそんな自分を変える、そのきっかけは突然訪れました。


いろんな写真家の方々の展示会や作品を見てもっと何かを撮りたいと心を打たれたのがきっかけでした。武井伸吾さんの夜空に浮かぶ鮮明な星や佐藤尚さんの風景は目に焼き付くほど、食い入るように見た記憶があります。たった1枚の写真なのにこんなにもドラマを感じさせるなんて、感動と驚きで胸がいっぱいになりました。同じ景色を見ていたとしても、カメラ越しに世界が一変してしまったんじゃないかと思うくらいでした。肉眼で見るより色がはっきり目を射るように見えるのも写真家の方々の技術であり、今の僕では真似できないと痛感しました。

僕は自分にしか撮れないような写真を撮ろうと思い、日々カメラを片手に景色や人を撮っています。その中で特にやわらかく幻想的な雰囲気になるよう意識しています。それは最近見つけた岩井俊二さんの作品に影響されたからです。彼は日本、邦画界の代表であるプロデューサー兼映画監督です。花とアリスやリリィシュシュを手掛ける監督の映像美はまるでファンタジーの世界にいるような描写です。映画のパンプレットや写真集を見てもそれは変わりません。そして特殊なフィルムを使っているわけでもなく、岩井俊二さんの世界観を実際に形にしていったのが撮影監督である篠田昇さんでした。彼は既に2004年52歳という若さで亡くなっていますが、世界の中心で愛を叫ぶなど世に多くの作品を生み出し人々を魅了させました。岩井俊二さんの映像は天才と呼ばれたカメラマン、篠田昇さんの手によって生み出されたともいわれるくらいです。光と影をここまでうまく表現できるのは篠田昇監督しかいないといっても過言ではないと思います。


写真と映画、遠いようで本当は近い存在、その間で魅了されながら自分にしか生み出せないような作品作りをしています。いつかちょっとしたコンテストで自分の写真が飾られてそこに「木下直哉」と明記される日がくれば良いなと少し夢を抱いています。就活に勉強に忙しくなった時、自分を見失わない為に書き残しました。

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