中学の友人からの突然の電話、ついていったらこうなった!?

次話: 中学の友人からの突然の電話、ついていったらこうなった!? 2


突然、あまり親しくない中学や小学生の頃の友人から連絡が来たらどうしますか?


ある日、実家でのんびりTVを見ていると22時を過ぎた頃、電話が鳴りました。

中学の頃の友人Sからでした。

Sとはクラスが1度だけ一緒になったことがある程度で、仲が良かったわけではありません。

同窓会の連絡かな?

でもそれなら別の仲のいいヤツから連絡来るよな・・・・

不思議に思いながら電話に出ると、妙に馴れ馴れしい感じで会話が始まりました。


S 「よう、ケンタ(偽名デスヨ)元気?

ケ 「うんまあ 普通だけど

S 「仕事は何してるの?

ケ 「は? あ、うーん 営業だけど(ウソ

S 「おぉそうなんだ! すごいじゃん! (何がだよ)

ケ 「う、うん そうかな

S 「ところでケンタさ、免許は取った? 車

ケ 「取ったけど

S 「車は?

ケ 「親のに乗ってるけど

S  「へー、何の車に乗ってるの?

ケ 「クラウン

S 「あ、そうなんだ、クラウンいいよねー、他に欲しいクルマないの?

ケ 「自分の車は欲しいけどね

S 「そうだよね、もう1台あったほうが絶対いいよね!

ケ 「まあでもお金ないから

S 「そうかぁ 実はさ、おれ来月新車買うんだ

ケ 「へー すごいじゃん(遠い目、そろそろうざい。元々仲良くないからかなり苦痛)

S 「ケンタもさ、車ほしくない?

ケ 「まあね (しつけーな、さっきも聞いただろそれ

S 「実はすぐに車買える方法があるんだけどさ、明日一緒に聞きに来ない?

ケ 「うーん、明日?

S 「会社土日休みでしょ? (今日は金曜日の22時

ケ 「うーん、いきなり明日言われてもな

S 「ちょっと待って、いま空きがあるか聞いてみるからさ、またすぐかけ直すから待ってて

ケ 「え、ちょっまっつ 

ガチャ。

ツーツー

うーん、これ何かかなり怪しくない?

そもそもSって中学卒業以来合ってないよな・・・・(ちなみに今は既に20歳)

今頃連絡してきて、いきなり明日一緒に行こうってこれ何だよ

かなり不安になり、折り返しの電話がきたら断るつもりでいた。

電話はその後5分も立たずにかかってきた。

S 「おまたせ! ちょうど空きが1つあったから、ケンタの予約入れといたから!

ケ 「えっ、ごめん、明日用事があったの忘れててさ、行けないんだ。

S 「ええ!? だめだよ、これ一度予約したらキャンセル出来ないんだよ

(そんなの知るかよ)

ケ 「悪いね、用事あるからさ

S 「行くって行ったじゃん!! ←キレ気味

ケ 「いや言ってないけど

S 「とにかくさ、もうキャンセルは無理なんだよ。頼むよ。

ケ 「ごめんね、無理だから。今日はもう遅いし切るよ。

S 「ちょっ。。まっっっ

ガチャ

ツーツー

こちらから電話を強引に切ったので、折り返しの電話がまた来るかな?

と電話の前で待ち構えていたが、その日は電話は来なかった。

断ったから諦めたんだなと思い、安心してその日はぐっすり眠りについた。

しかし、、、、

次の日


朝の8時

土曜の朝の8時だ。

家族も皆まだ寝ている時間だ。

ピンポーン

ピンポーン

家のチャイムが鳴る。

母親が出た。

「ケイタ、お友達よ」

「だれ?

「Sくんとか、昨日約束したけど来ないから迎えに来たって

はぁぁぁ?!

断ったじゃん!!

と言っても何も解決しない。

玄関にパジャマで行く。

ケ 「なに? 昨日断ったよね、朝から迷惑なんだけど

S 「・・・・ (何黙ってんだ

「よぉ 久しぶり」

!?

そこには、Sだけでなく中学の時の先輩のMが居た。

Sは一言も喋らない。

そしてSとMはスーツを着ている。どこかに出かける準備は万端。

こっちはパジャマ。

M 「ケイタさ、ここじゃあれだからそこの公園までコレない?

ケ 「はあ

Mは中学時代はいわゆるちょっとやんちゃなグループに属していて、色々と問題を起こしたりしていた人。もちろんこのMとも中学卒業以降全く付き合いなどはないが、あまり変な対応をすると後々面倒な人であることは確かだ。

仕方がないので、公園までパジャマで出かけることにした。

顔も洗ってないし、歯も磨いてない、寝癖もあってボサボサだ。

早く話をつけて帰りたかった。

公園につくと、今まで優しい口調だったMが豹変する。

M 「ケイタさぁ、お前Sに一度行くって言ったんだろ?

ケ 「いや、言ってませんよ

M 「でもSから聞いた話じゃ、Sが予約取ったあとにキャンセルさせたらしいじゃん

それは筋が通らないだろ?

ケ 「いえ、そもそもSは俺の了承取る前に予約取って、取った後に取れたって連絡してきたんですよ

M 「は? おい、Sそうなの? 話が違うじゃん

S 「はい、ケイタの言ってる通リです

M 「S、お前ふざけんなよ、それじゃケイタが可哀想だろう、こんな朝っぱらから呼び出して!

S 「すいません

M 「おれに謝ってもしょうがねーだろうが! ケイタに謝れよ!

S 「ケイタ、ごめん

これって、よく出来た芝居だと思ったのは、この日の夕方になってからだ。

この朝の時点では、Mも出来た人間に成長したじゃねーかと感心していた。

でもこれはこの後に続くストーリーの一部でしか無かった。ようするにMが描いた作戦だったのだ。


M 「でさ、ケイタ、Sが悪かったのは承知の上でお願いなんだけどさ

ケ 「はい

M 「実は本当に、一度でも予約をするとキャンセル出来ないんだよ。キャンセルするとSだけじゃなくて、Sの先輩(上司)のおれの信用問題にもなるんだ

ケ 「はい

M 「何とか今日来てくんねーかな

ケ 「うーん、でも本当に今日用事があるんですよ

M 「いや、それはわかってる。本当にすまないと思ってる。そこを何とかお願いしたい

ケ 「うーん

M 「時間は取らせないよ、午前中で終わるから

ケ 「本当ですか?

M 「ああ、頼むよ、俺をSを助けると思って

ケ 「わかりました。それじゃあ一緒に行きますよ

M 「本当か! ありがとう、さすがケイタだよ。中学の頃から目をつけてたんだよ

(嘘つけ)


こんなやり取りがあり、仕方なく一緒に行くことになった。

土曜日の休日だというのに、服装はスーツではないと駄目とのことで、スーツに着替えた。

東京の郊外から、電車で約1時間。

朝っぱらから渋谷まで連れて行かれた。

電車に乗っている間、Mはずっと車の話をしていた。

ほんとかどうかは不明だが(知りたくもない)、先月新車に乗り換えた、これで車は2台目なんだ。などなど、実に羽振りのいい話ばかりしていた。

適当に頷いていたのだが、それが大層気に入って気分が良かったらしく、Mはかなりご機嫌だった。

対してSはというと、Mの話に頷きはするものの、俺には一切話しかけてこない。

まあそもそもSとは中学でもそんなに話をしたことがあるわけじゃないし、話すことなどもないんだけど

わざわざ渋谷まで休日の朝っぱらからスーツで行くことになった原因はSにあるわけで、Sも多少は罪悪感を感じているのかも知れない。


渋谷の駅を出ると、商店街の少し外れにある雑居ビルに連れて行かれた。

駅から徒歩10分くらいのビルだ。

とりあえず何があるかわからないので、ビルに連れて行かれる間も常に回りをよく見ながら歩いた。

幸いなことに、ビルの反対側には交番が確認出来た。

もし万が一、ヤバイことになったらあの交番へ逃げ込もう。

そう決心して、SとMと共に雑居ビルの中へ入った。


ビルに入ると、スーツを来た若い男女がたくさんいた。

Mの話では、これがみんなケイタと同じように友人と一緒に連れてきてもらった人達なのだという。

俺は連れてきてもらったのではなく、「連れてこられた」んだけどな。


程なくして、大きな会議室のようなところへ全員が通された。

Mは他の用事があるから、、、とどこかへ消えた。

俺はSと2人でその会議室に入った。

会議室は結構広く、100人近くは入れるくらいの大きさだ。

パイプ椅子が並べられ、その席は空きが1つもないので100人以上は会議室内にいる計算になる。

2人1組だと考えると、同じように連れてこられた人達は約半分の50人。

皆、ノートと鉛筆やシャープペンなどを用意していた。

Mから今日来る時は、スーツ着用と筆記用具を持ってきてと言われていたので、とりあえず皆と同じようにノートとボールペンを準備した。


ケ 「ねえ、何か勉強でもするの?

S 「うん、講師の方がとてもいい話をしてくれるから、そういうのをちゃんとメモするんだよ。

ケ 「ふーん


しばらくすると会議室の教壇のような場所へ、講師らしき人物が立った。

これから有り難い話が聞けるらしい。

なんだこれ宗教か?

この時点では宗教の勧誘か何かなのかと身構えていたのだが、そうではなかった。




続く



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