インド アーユルヴェーダ 1ヶ月体験記 (4)

(このストーリーは2010年にブログにアップしたものから抜粋したものです。

アーユルヴェーダとは、インドの伝承医学。南インドのケララ州が有名です。)


トリートメント9日目

12:30 大先生によるマッサージ。

「アーユルヴェーダの世界と同じで、ヨガでも、真実を話す人は日本で少ないように思います。私もインドに来て初めてバクティやカルマヨガのことを学びました。日本で教えているのは、ほとんどがアーサナと少しのプラナヤマと、ほんのちょっとの瞑想です。」と私が先生に話すと

「カルマヨガはみ~んなが実践することができます。行為の結果に期待しないこと」「バガヴァッドギータが教えていますね。」「そうです」「私、大好きなんです。これを聞いているのも、歌うのも。私は日本では学べなかったことをインドで学び、この真実を生徒たちに伝えています」「あなたは正しい方向へ進んでいますよ。間違った方向へ進む人たちもいますからね」「ありがとうございます」先生にそう言っていただけてありがたい気持ちです。

「あなたのご両親は、こちらの方向ですか?(スピリチュアルを理解されますか?という意味)」と先生が聞かれました。「う~ん、あまりそうではないですが、でも、私のことはとても理解してくれます。とてもサポーティブです。私がインドにいることをとてもよく思ってくれています。それに、家族みんなが幸せで仲がいいです」「十分です、それで十分です」

私の上腕部をマッサージしながら「痛みは減っていますか?どうですか」と聞かれました。「痛みは減っていますが、緊張しやすい部分です。これは私のマインドの問題です。マインドの傾向(tendency of the mind)だと思います。過去生からの。実際、私がここにいる理由は、この体を治すためではないと感じています。実は、この肉体は治っても治らなくてもいいと思っています」と伝えると、少し驚いて「でも、体が痛いと、それに邪魔されて瞑想も上手くいかないでしょう?」とおっしゃいます。「はい、しかし、体はいつか滅びます。この痛みは、私をここのセンターに連れてきてくれための役割を果たしてくれているんだと思います。そして先生に会うことができて、こうして先生と毎日、お話しをすることができて、先生から多くのことを学んでいます。痛みは私の先生です。真実へと導くための。」「この肉体は洋服みたいなものですよね。私の洋服は古くなってきましたけれど。ははは。そして新しい洋服をまた次の人生で着る」

先生に聞かれました。「あなたはオーラのことは知っていますか?」「はい、先生見えるんですか?私は見えませんけど」「いいや~、私にも見えませんよ」「でも別に見えなくてもいいですよね。パタンジャリ(ヨガスートラの編者)も、シッディ(超能力)には気をつけるようにと言っていますし」と答えると「そうです。私は超能力者は嫌いです」と先生はおっしゃいます。「私は去年たくさん、超能力者と関わりました。でも、エゴが強くなりますね。私には人にできないことができるって。私は上だ、あなたは下だと・・・」「わかります、わかります。ここでは、そんなものを感じないでしょう?」「ええ!先生はとても謙虚でいらっしゃいますね。ラーマクリシュナがお好きだというのがよくわかります」

私は幼少から偉そうにする人が苦手で敏感に感じ取っていました。

ですから、先生を中心として、ここのセンターが醸し出す平等感がとても私は心地がいいと感じています。平等な気持ちを持つ人たちの中にいると、心底リラックスできて、自然体の自分でいられるのです。何か過去生であったのかもしれませんね。先生は、「ええ、彼はとてもシンプルな人です」そう言って、愛しいものを想うような目で、どこか遠くを見ておられました。


トリートメント10日目

マッサージの時、お腹がぽちゃぽちゃ音を立てているので、先生が「水を飲みすぎましたか?」と聞かれました。はて?いつもと変わらないはずだけど・・・。あ、そうか!今日は朝からチャイを2杯飲んだのでした。私は牛乳を上手く消化できないのですが、元々、牛乳が好きなので、誰かが持ってくると、ついつい飲んでしまうのです・・・イケナイ、イケナイ。お腹がぽちゃぽちゃいっているのを聞いて、明日からは、チャイをストップしようと決意しました。自分の体には合わないとわかっていながらも、たまにはいいか・・と飲んでは、お腹が痛くなったりして、あとで反省してマス。

それに、今日は、いつもよりなぜか疲労感があります。だるいのです。それを伝えると、先生の「どんな食事を取りましたか?」との質問に、そっか~、牛乳がよくなかったかな。消化しにくいから、体が頑張っているのかもしれない、と思いました。

昨日は先生としゃべりすぎて、先生も集中力が欠け、包帯がうまく巻けずに、後で、ずるずると外れてしまい、私の体の周りで包帯が混乱状態になっていました。だから、今日はあまり先生に話しかけずに、大人しくしていました。


トリートメント11日目

牛乳と同じで、よくないのに、ついついやってしまうこと・・・それは、この体験記を書くことです。「書く行為」を控えるようにと言われているにも関わらず、「少しならいいか」と、こっそり、毎日書いてしまいます。書くことが大好きだし、生徒さんや友人とシェアしたい気持ちに負けて・・・

12時、先生によるマッサージ。最初のマッサージで叫ぶほど痛かったマルマ・ポイントは、ほとんど痛みが消えています。「(数日前から)腰や膝の部分は、痛みは消えているけど、あと3日だけ続けましょう。全部で14日間。そして、上半身の方は、続けて行きましょう。」とのこと。最初にためらっていた1カ月の滞在も、今では、すっかり楽しんでいて、お任せの気持ちです。

先生が私に包帯を巻いている時、去年いった台湾で見た少林寺拳法(ビデオ)がとても素敵だった話をしました。「辞書で見た情報ですが、少林寺拳法は、禅を伝えたことで有名な達磨大師が、心身鍛錬の法として伝え、僧兵を中心に武術として普及したものだそうですね。」禅僧の間で栄えた武術。私は武術に関しては何も知りませんが、瞑想を深めることと密接に関係しているような予感がします。「あなたは、武術に本当に興味があるんですね~」「はい、見るのは好きなんです。体を使ったパフォーマンスなど大好きなんですよね。フィギュアスケートとかも」「関心、興味が、一番大切ですよ」と先生はおっしゃいました。好きこそ物の上手なれ、ってやつですね。

先日、カラリパヤットをやっている、スタッフのS君に見せてもらった携帯電話のビデオで、「トニージャン」という人を知りました。武術のパフォーマンスをしているビデオなんですが、ついつい、我を忘れて「かっこいい!かっこいい!」と叫んでしまいました。


周りのスタッフさんたちが、あっけにとられた顔で「『KAKKOII』ってどういう意味~?」と聞いてきて、「はっ!」我に返りました。周りを忘れるほど、惹きつけられていたんですね~。 

著者の鶴田京子さんに人生相談を申込む

著者の鶴田京子さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。