インド アーユルヴェーダ 1ヶ月体験記 最終回

(この記事は、2010年にブログに書いていたものを抜粋したものです。

アーユルヴェーダとはインドの伝承医学のことです)


ケララ州のアーユルヴェーダクリニックにて、8月9日から9月7日までの30日間毎日トリートメントを受け、その様子をブログに書いていましたが、途中で、止まっていました。

トリートメントが終わってから、1か月ほど、あまりこれについて書く気が起きなかったというか、施術後の疲れもあり、また他にいろんな用事があって忙しかったのもあって、今日になってしまいました。

その後どうなったの?と気になっていた方、お待たせしました。

毎日3週間の間、オイルマッサージと薬草たっぷりの包帯を巻いて過ごし、

最後の週は、エラ・キリというトリートメントを行いました。

3週間の間、「痛い!」という感覚しかなかった施術ですが、最後の週でようやく「気持ちいい!」という体験ができました。ほっ・・・笑

エラ・キリとは、いろんな種類の薬草をたくさんつめこんだボール(ハーブボールと一般的に言われます)を、オイルで炒めて温め、全身をそのハーブボールでマッサージしていく手法です。



時々、熱しすぎて、「あちっ!!!」っと大声を出すこともありましたが、(そんなときは、先生も助手の女性も大笑いしています!こんなインドの大らかさが大好きです♪)ほとんどの場合は、体が温まって気持ちよかったです。特に肩や首などはこの上なく気持ちいいですね~。

このエラ・キリ、商売的なサロンであれば、一日目からやってしまいますが、先生曰く、3週間の間、マッサージや包帯をしてきて、その後このキリを行うことで、初めて効果が出るものなのだそうです。

このキリを始めて、体の変化をだいぶ感じるようになりました。

それまでは、「効いてるのか、どうなのかわからない」と言った感じでしたが、はいっ!今は、調子がずいぶんいいようです。

あたためることの大事さを実感しました。

しかし、退院後、しばらくの間は、ほんとに、毎日すごく疲れやすかったです。

友人が日本から遊びに来てくれたのですが、気持ちは一緒に外へどんどん遊びに行きたいところなのに、体がついていきません。

お昼すぎになると、「ひゅ~~ん」と、急に電池が切れたロボットのようになってしまい、横にならなければいけませんでした。

そして、1,2時間ほど寝れば、また元気が回復するのですが、それが3週間くらいは続いたでしょうか。

本も読みたくないし、ネットも行きたくないし、おしゃべりしていてもすぐに疲れてくるし・・・とにかく休憩して過ごした日々でした。

その間、友人とケララのおしゃれな街でリラックスして過ごしました。

美味しいエビ料理を出すレストランでは友人も、「今までの人生で食べた中で一番おいしい料理だった」といってくれるほど、堪能してくれました。ホテルまでの帰り道もずっと海老の話で持ち切りになるほど!

普段、修行ばかりで地味な生活をしているので、こんなもの滅多に食べられないんですが、1年に1,2回こんなふうに自分を甘やかしています。



さて、アーユルヴェーダの話に戻しましょう。

新しい街について、ホテルの部屋でリラックスしていたとき、

「1か月いて、一体どんな変化があったかな~」とぼんやり考えていました。

退院したばかりのそのときは、さほど大きな変化はないように感じられたのです。

「30日も毎日施術したけど、そんなに大きな変化はなかったかも・・・・」

「いや、まてよ!」

すごく大きな変化に気付きました。それは体にではなく、心に起こっていました。

今までの何世もの人生に渡るカルマとも思えていた、ある物事の見方に大きな変化があったことに気付いたのです。

(これはプライベートなことなので詳しくは書きませんが)

「これはすごく大きな変化だ・・・」それに気付いたとき、自分でも驚きました。

実際、治療のメインとなっていた右肩ですが、これまでどの超能力者にあっても、そのカルマに関することを言われ続け、私もそれが関係していることはわかっていました。

それが今回、実際の患部の痛みよりも先に、そのカルマに関係した「物事の見方」の方に大きな影響を与えていることが、大きな驚きでした。

なぜ、アーユルヴェーダの治療がこんなことをできるのだろう?

どのアーユルヴェーダもそうとは限らないかもしれません。私の行ったクリニックの先生だからこそなのかもしれません。

それははっきりしたことは言えませんが・・・

アーユルヴェーダは、まずスピリチュアルな面に変化もたらし、その後、体にもゆ~っくりと変化をもたらしていく・・・のではないか。という風に思いました。

最初の数週間はわかりませんでしたが、日を追うごとに、体の方も、じょじょに調子がよくなっていくと同時に、それがわかってきました。

アーユルヴェーダは、このように、ほんとに、ゆ~~っくりとした変化なのです。

施術も時間がかかれば、回復も、ゆるやか~な波のようです。

一体こんなことして何になるんだろう??というような治療がたくさんありましたが、自分のマインドが知るに及ばないレベルで治療が行われていたんですね。

ヨガと同じで、直接体に働き掛けているように見えて、実は、見えない世界での変化がまず起きて、その後じわじわ、肉体的レベルにも変化を及ぼす、という順番と同じように感じました。

先生は最後の週になると、施術後、毎回、私の手をとって、一生懸命、祈ってくれました。

「私は、自分ができる限りの最高のことをあなたにしてさしあげたい。あなたを完璧にしたい」

と片言の英語で、だいたい、このようなことをおっしゃいました。

先生の、誠実で、ピュアで、一生懸命な気持ちが、ひしひしと伝わってきました。

今こうして、振り返ってみると、「先生!先生の祈りは、ちゃんと届きましたよ!」とお伝えしたいです。

こんな先生とのハートがつながる毎日でしたから、先生とお別れするときは、もう涙がこみあげてきて、胸が苦しかったです。

「先生、私、泣きそうです」というと、

「わかってます、わかってます」といつもの優しい声でおっしゃいました。

先生の携帯電話の番号を教えてくださり、私の住所を書いてと言われました。

思い出に、と私のここで撮った写真やヨガアーサナの写真をアルバムにして残したいとも。

スタッフも、毎日、ご飯を買ってきてくれたり、温かいハーブティをボトルに入れてきてくれたり、お茶の時間にはお菓子と一緒にブラックティーを用意してくれたり、一緒に笑ったり、遊んだりして、毎日とっても温かい輪の中で過ごしていたので、本当に、別れるのが辛かったです。

こんな心のこもった、あたたかいクリニックって、世界にどれくらいあるでしょう!

ここに出会えたことに、本当に感謝です。ありがたい気持ちでいっぱいです。

前も書きましたが、このみなさんのあたたかさが何よりの治療だったような気がします。

先生の息子さんに、こう言いました「友人のHさん(ここを紹介してくれたアルゼンチン人の友人)が、『他の人に話しちゃだめだよ。秘密のとこだからね』と言っていた意味がわかりました。

ここが有名になって、たくさん人が来て、忙しくなってしまったら、ここのよさが失われるような気がするんですもん。」

「ええ、わかりますよ。私たちは今のような形でこれまで続けてこれたことをラッキーだと思っています。あまりに有名になってしまうと、違うものになってしまうというのはわかってるんです」と息子さん。

もちろん、毎日、小さな症状で来院される、ローカルな患者さんたちで溢れかえってはいますが、

ガイドブックやネットなどで紹介されて、外国人がどっと通うようになったりしたら、今のよさが失われてしまいそうです。

ぜひ、このままの形で続いてほしい、そう心から願っています。

(このブログに書いていることはどうなのか・・・と言う気がしますが、私の記事を読んでも、実際、行きたい!と思う変わった方は少数でしょう。笑  トリートメントに最低でも1か月以上は必要ですし、毎日過ごす部屋は、修行者のためのような、気分が落ち込んでしまうような、かなり辛い感じの質素な部屋で、水もにごっていて、臭いがするような不衛生な環境なので、一般の日本の方には、きついと思うからです・・・)

というわけで、アーユルヴェーダ体験記は、この記事で幕を閉じたいと思います。

先生、スタッフのみなさん、本当に愛あふれる1カ月間、ありがとうございました!

この記事を読んでくださったみなさんも、ありがとうございます♪♪

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